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【初心者向け】角型フィルターを使ってみよう 〜作例交えて解説〜

2022年2月23日更新:部分的なソフトフィルターにNiSi製もあることを追記しました。

今回の記事はこんな内容です。

「角型フィルター」とはそもそもどんなものか、「角型フィルター」の特徴、「角型フィルターの使い方」の紹介 を中心に、初心者の方にもわかりやすくまとめてました。

角型フィルターって言われても、、、???な方も多いと思います。
最初にざっと「角型フィルターってナニモノ」なのかを説明しますね。

角型フィルターを装着した状態

こんな感じです。
カメラの前に「仕切り板」みたいなものをつけている人がいる って思った方も多いと思います。「それ」です!

角型フィルターをカメラに取り付けた状態

角型フィルターの特徴

一般的なレンズフィルターはレンズの前にねじ込んでつける円形です。
単にレンズ本体の保護をする役目を持つものから、特殊な効果を持つもの までいろんなタイプがあります。
円形フィルターについてはこの記事も参考にしてみて下さい。

一方、角型フィルターはその名の通り、フィルターの形は「角型」です。
形が角型(長方形)になることによって、円形フィルターにはできないことができます。

一番の特徴は「円形フィルターは基本的に撮影画像全体に効果を及ぼす」のに対し、角型フィルターは「画角内の半分だけ暗くする」など、効果を部分的に制御出来るようになります。

角型フィルター

引用:KANIフィルター商品紹介ページより

角型フィルターの具体的な使い方

角型フィルターの代表格

下記のタイプが角型フィルターの代表格ですね。

  1. 「ハーフNDフィルター」と呼ばれるもの
    片方の端からフィルターとして効果の強い部分(色の濃い部分)が始まり、逆側の端に行くにつれて効果が薄まっていくタイプです。
    画角のうち、どちらか半分が明るく、どちらかは相対的に暗い題材の場合に使用します。
    朝焼け、夕焼けなど、太陽近傍・空はそれなりに明るいが、地表はすでに暗くなってしまっている時にどちらもバランス良く表現したい。
    このような場合、フィルターの色の濃い側を太陽の明るい部分に合わせ、カメラに入力される全体の明るさを調整します。
  2. 「リバースNDフィルター、あるいは、センターNDフィルター」と呼ばれるもの
    フィルターの中央部分が一番色が濃くなっているものです。
    画角のうち、中央部分が、周りよりも相対的に明るい題材の場合に利用します。
    朝焼け、夕焼けなど、地平線・水平線の太陽近傍だけ明るく、空・地表はすでに暗くなってしまっている時にどちらもバランス良く表現したい。
    花火撮影時でのスターマインなど、強烈に明るくなった地表と打ち上げられる花火の両方を表現したい。
    こんなシーンに利用します。
角型フィルター(ハーフND)

引用:(ハーフNDフィルター)KANIフィルター商品紹介ページより

角型フィルター(センターND)

引用:(センターNDフィルター)KANIフィルター商品紹介ページより

なお、角型フィルターは

  • 色の濃さもさまざま
  • 色の濃い部分が中央部だけ集中的に、あるいは濃い部分が中央部少し広めに
  • 色の変化のグラデーションが柔らかいもの、はっきり変化していくもの
  • 上記がさらに組合せされているもの
  • 円形フィルターの際に紹介したようなソフトフィルター、光害カットフィルター

などなど、、、たくさん種類があります。

私もまだまだ使いこなせていませんが、角型フィルターではこんな写真を撮ることが出来ます。

角型フィルターを使った作例(夕焼けの海 遠くに富士山)

この撮影は

  1. 空の部分にハーフNDフィルターの色の濃い部分を合わせて空の明るさを抑え込みし、海面、岩との明るさのバランスをとって海面もしっかり見える様に
  2. NDフィルターを更に前面に重ねて全体の光を抑え、長時間露光して海面を滑らかに

このような条件で撮影しました。

カメラへの取り付け方法

私が持っている角型フィルターはKANIなのでKANIの場合で説明します。

なお、どのメーカーさんも「まずフィルターホルダーをレンズに取り付けし、その後、ホルダーにフィルターを取り付ける」という機構は同等です。

ただし、H&Yはフィルター周りにマグネットの枠がついており、磁力でフィルターホルダーにフィルターを取り付ける という独自の機構になっています。

①フィルターサイズの選択
角型フィルターは、100mm幅か150mm幅が一般的で、150mmを使うのはレンズの径が大きな超広角レンズを使っている場合です。通常のレンズであれば100mm幅の角型フィルターホルダーの選択でよいと思います。

②レンズにフィルターホルダーを取り付ける
まずホルダー取り付け用リングをレンズに取り付けた後、フィルターホルダーをはめ込んで取り付けます。

KANIの場合、82mm径のレンズならば標準のリングで取り付け出来ますが、レンズの径がさらに小さい場合はステップアップリングにてサイズ調整をして取り付けます。ステップアップリングって何?な方はこちらの記事を参考してください。

角型フィルター用ホルダーの取り付け方法

角型フィルター用ホルダーの取り付け方法

角型フィルター用ホルダーの取り付け方法

角型フィルター用ホルダーの取り付け方法

③角型フィルターを取り付ける
フィルターホルダーにはフィルター取り付け用のスロット(溝)が3つあるので、ここに角型フィルターを差し込んで固定します。
スロット内にはウレタン樹脂が埋め込まれており、少々きつめにフィルターを差し込む感じなので、フィルターが滑り落ちるなどの不安はありません。

角型フィルター用ホルダーのフィルター取り付け部分

角型フィルター用ホルダーにフィルターを取り付けたところ

フィルターを重ね付けする場合はこのスロットにさらに別のフィルターを差し込んで重ねて使います。

フィルターの使い方

角型フィルターの大きな特徴はフィルター内で色の濃さが変化していることです。

撮影対象に合わせてフィルターを上げ下げして色の濃い部分の位置を変更するか、場合によってはフィルターホルダーを回転させて位置を調整します。

角型フィルター用ホルダーにフィルターを取り付けたところ 角型フィルター用ホルダーにフィルターを取り付けたところ 角型フィルター用ホルダーにフィルターを取り付けたところ

「加工されているところ(黒いところ)」から「加工されていないところ(色が薄いところ)」の境界あたりをメインで使うのが基本ですが、加工面に寄せれば全面的にNDフィルターの効果を出すことも出来ます。

角型フィルターを使った作例紹介

角型フィルターの代表格はやはり「ハーフNDフィルター」なので、作例も多めになっています。

フィルターの上下で減光度合いの調整ができる角型のフィルターを使う意味は「まずはこれ」と言っても過言ではありません。

①ハーフNDフィルター
満月で照らされた富士山、湖面がある程度明るいのでハーフNDの暗い部分を使って減光し、光が入りにくく影になってしまう紅葉部分はハーフNDの明るい部分を使ってバランスを取りました。

角型フィルターをつかった作例(夜の富士山と紅葉)

②ハーフNDフィルター
満月で照らされた富士山、雲海がある程度明るいのでハーフNDの暗い部分を使って減光し、手前のすすきのが暗いので、ハーフNDの明るい部分を使ってバランスを取りました。

角型フィルターをつかった作成(月光に照らされる富士山)

③ハーフNDフィルター
手前の椅子が白色で明るく、構図全体でバランスを取ると椅子の格子模様が白飛びしてしまうので、構図下面はハーフNDの暗い部分を使って減光をしました。

角型フィルターをつかった作成(白いベンチと丘)

②(全面)NDフィルター

  • NDフィルターを使って光量を落とし、長時間露光。水の流れを柔らかく。
  • C-PLフィルターを使って水の反射を抑え、水面に透明感を出しました。

角型フィルターをつかった作成(小さな滝)

角型フィルターメーカーについて

KANI以外には「H&Y」、「Cokin」、「NiSi」あたりがメジャーでしょうか。

特にH&Yは「マグネット式で角型フィルターが取り付けできる」、「PLCフィルターがドロップインでフィルターホルダの横から差し込める」など独自機構となっており、私はかなり気になっています。

なお、角型フィルターの素材はガラス製が一般的ですが、もう少し値段がお安い樹脂性フィルターを扱っているメーカーもあります。
ただし、傷が付きやすい、経年変化しやすいなどあるようなので、長く使うことを考えるならガラス製を選択したほうが良さそうです。

KANIを選択した理由

そんなに気になるなら、なぜ角型フィルターをH&Yにしなかったの?ですか?(笑)

まずは、、、KANIはユーザーとの距離が近く、ユーザーの要望に応じた製品改良などに積極的に取り組んでおられ、その点に好感を持ちました。
また、お使いの方々のレビューで、フィルターのガラスの品質の評価がとても高かったことも選択した要因の一つです。

あとは、、わたくしかなりそそっかしいので、マグネット式だと意図せず後方から強く触った場合に外れて落としてしまいフィルターを割ってしまいそうで、、、やめました。

さらに、KANIには「Partial Soft Focus Filter」という特徴的な製品があります。このフィルターは大変人気の商品で、入荷時即完売、常に在庫無し状態の商品です。

70%がソフト効果、残り30%は透過の加工をされている角型のソフトフィルターで、一般的なソフトフィルターだと全面にソフト効果がかかってしまい、星景撮影時、例えばにじませなくともよい空以外の地表などもぼやけてしまうところ、地表面は透過部分にすることで、空はにじませつつも地表はにじませない なんてことができます。すごい!

Partial Soft Focus Filter

引用:(Partial Soft Focus Filter)KANIフィルター商品紹介ページより

激しい争奪戦?の末、なんとか購入できたものの、世の中がこんな状況なのでまだ実戦投入できていません。そろそろ使えそうなので、実際に使うのをとても楽しみにしています。

2022年2月23日追記:
その後、いろいろ調べていたところ、なんと、2021年10月22日(この記事の初稿を書いたのが10月16日なので記事公開の直後)にNiSiからも部分的なソフトフィルターが発売されていたことを発見しました。

NiSi、星景写真向けに設計した角型ソフトフィルター「StarSoft」 上部2/3だけのソフト効果で、地上部分はシャープに描写
NiSi Filters Japanは、角型ソフトフィルター「StarSoft(スターソフト)」を10月22日に発売した。希望小売価格(税込)は、100mm幅用が1万8,480円、150mm幅用が2万1,780円。

KANI、NiSiで大きな性能差は無いと思われるので、このフィルターの有無で迷った方はNiSiも選択肢に入れてもいいかも知れません。

まとめ

今回は詳細説明は避けましたが、角型フィルターのホルダーで

  • C-PLフィルター
  • NDフィルター(全面黒いタイプ)

などなどを重ねてさらにフィルター効果を加えることが出来ます。

角型フィルターは種類もたくさんあり、複数の種類を重ねて使うことが前提で、なかなか玄人好みなフィルターです。奥が深い。

沼です、、、

(私もそうでしたが)最初は何を買えばいいか分からないですよね。
セット販売しているメーカーさんも多いので、慣れないうちはまずは基本のセット品を買って、好みに合わせてフィルターを追加するというのがよいのかな と思います。

参考までKANIフィルターの角型フィルターのセット(100mm幅)のリンクをいくつか貼っておきます。
このリンクからいろいろお好みで自分に合うセットを選んでみるのもよいですね。

↑街撮り用の基本セット

↑航空写真家 岡本さん 監修の航空機撮影用基本セット

↑風景撮影用のセット(中級者向け)

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