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Leofotoギア雲台徹底比較 〜風景撮影におすすめなのはどれ?〜

※2025年8月28日更新:GR2の真ん中の「穴」を塞ぐ方法を追記しました。

今回はこんな記事です。

「風景写真を極めたい!でも、構図の微調整が難しくて、、、」
そんな悩みを抱えているカメラマンにとってギア雲台はまさに救世主です。しかし、ギア雲台は比較的高価で種類も多く、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。
そこで今回はコスパの良さと信頼性で人気のブランド「Leofoto(レオフォト)」のギア雲台に絞って徹底的に比較レビューします。
G2、G4 Proなどの主要モデルの特徴から、組み合わせパターンまで、実機を使ったからこそわかるリアルな使用感を交えながら、皆さんにぴったりの一台を見つけるお手伝いをします。

今回の記事は相当数の雲台の詳細なスペックの比較と、それぞれを組み合わせた場合の比較を行うためやや長めの記事になっています。

適宜目次を使って気になる部分だけ御覧ください。

風景写真にギア雲台が必要な理由と選び方のポイント

皆さんお使いの雲台は自由雲台が多いと多いと思います。
自由雲台は比較的安価で、コンパクト。使い方も簡単なのですが、細かな構図の調整はそれほど得意ではありません。

背景にポイントとなる撮影物を入れた状態で構図を追い込む際に、『あともう少しだけ上』『あともう少しだけ右』等、微調整をしたいケースは頻繁にあるのですが、自由雲台を使うと動きすぎてしまって構図が思ったように設定できないことがあります。

ギア雲台は雲台に載せた機材の角度について、ノブなどを回してギアを駆動させることで『微妙に』位置を変えていくことが可能な雲台です。

ただし、ギア雲台の仕様によっては下記の点が欠点となるため、ご自身の撮影シーンに応じて適切な機種を選択する必要があります。

  • (雲台によっては)常にギア駆動方式になるため、大きく構図を変えたい際はノブをひたすら回さないと行けなくて面倒
  • 自由雲台に比べて可動範囲が小さいため、例えば見上げるような構図の場合には可動範囲が足りないことがある。

また、ギア雲台は精密な機構を積んでいることから、一般に、高価だったり、重量が重かったりするので、そのあたりは性能とトレードオフの関係にあります。

【全9モデル】Leofotoギア雲台のスペックを徹底比較

私の知る限り、Leofotoからは下記の10モデルのギア雲台がリリースされています。

G2、G3、G4、G4Pro、G20、G6、GR2、GW01、LH40GR、LH47GR

Kei
Kei

ただし、G6については15万円近い価格で非常に高価であること、かなり大型の雲台なので今回の比較対象からは外しました。

引用:製品紹介ページより

各雲台のスペック比較上の前提条件

以下、各ギア雲台のスペックと特徴を比較します。
なお、各スペックの前提条件は下記としています。

  • 価格:2025年7月現在のロカデザイン企画(KANIフィルターの代理店でもあります)のHP上の価格
Kei
Kei

雲台に限らず三脚、その他機材含め、Leofoto製品を正規に購入するなら、おそらくロカデザイン企画(ロカユニバーサルデザイン)さんで購入するのが一番安いと思います。正規代理店なのでサポートは問題ありません。

  • サイズ(全高):情報量が多くなることと、雲台の比較の際に”サイズとして”最も気になるのはどの程度腰高になるのか と思われるので、今回は全高のみ記載。
    なお、全高表記にあたり、一部雲台は他の雲台と組み合わせるため雲台下部にアルカスイス互換のプレートが付いていてプレートは取り外しができますが、手元に実物がない雲台もあり、取り外し後のサイズが不明なため、今回はすべてプレート込みでのサイズ(≒HP上で提示されているサイズ)としました。
  • 重量:サイズの条件と同様、プレート込みの重量としました。
  • 耐荷重量:製品紹介ページの値を引用しました。
    注:耐荷重量は定義が明確に規定されておらず、メーカーによっても基準がバラバラです
    (雲台操作時の安定度はさておき、機材が”載ればよい”等)
    一般に、安定して使えるのは提示スペックの1/2~1/3程度と見ておくのがよいです。

G4pro:構図をこだわって追い込みたいハイアマチュアな方向け

価格:86000円(2025年7月現在)
全高:120mm
重量:870g
耐荷重量:20kg

G4をベースにパンニング部分もギア駆動が追加された雲台です。
上部のクランプ部分の機構はパンニング機構を持つクランプであるGR2と同等です。

注:G4proのクランプのノブは誤操作防止で加工済

ここはよい!

  • 前後、左右はギア駆動、最上部のクランプ部分もギア駆動する。
    (G4のクランプ部分が(後述する)GR2に置き換わったイメージ)
  • パンニング用ノブの角度調整用のノブを回した場合の負荷変動は少ない。
  • 前後、左右のギア駆動のON/OFFの切り替えノブを搭載。ギア駆動をOFFにして大きく構図を調整後、ギア駆動をONにしてギア駆動で微調整という操作が可能。
  • 底部にもパンニング機構あり。
  • 可動範囲は前後に+115度~-50度、左右は±40度でG3と同等で広め。

    引用:商品紹介ページより

  • クランプ側面に2箇所水準器が配置。機材を載せても視認性は良い。

ここは気になる、、、、

  • パンニング用、ギア駆動のON/OFF切り替え用、ギア駆動での角度調整用、クランプ用 と多数ノブがあるので操作はやや難しい。

注:G4proのクランプのノブは誤操作防止で加工済

  • パンニング部分はギア駆動のON/OFFの切り替えがないので、角度変更時は角度変更用ノブを回して角度を変更する必要があり、大きくクランプの向きを変える際はやや煩雑。
  • 前後、左右の角度調整用のノブを回した場合に重い⇒軽いなどの変化はややある。
  • ギアによる角度変更は被写体から離れるように角度が変化する。

注:G4proのクランプのノブは誤操作防止で加工済

ギアによる角度変更は被写体から離れるように角度が変化する。注:G4proのクランプのノブは誤操作防止で加工済

  • クランプ部分はクランプの開閉ノブ、クランプの角度調整用ノブがあり、両ノブの配置は異なり、サイズもやや異なるが、形状は似ているため、誤操作のリスクは”ややアリ”。

製品紹介ページより引用+加筆

  • クランプの角度によってはクランプの両ノブが重なるため操作しづらい時がある。

注:G4proのクランプのノブは誤操作防止で加工済

ノブの誤操作防止策

クランプのノブを誤って操作すると機材の落下リスクがあるため、私はクランプ部分のノブには熱収縮チューブを取り付けし、触感を変えて誤操作を予防しています。

その他、熱収縮チューブでのカスタマイズ方法含め、G4proの詳細についてはこちらの記事も参考にしてください。

G2:手軽にギア雲台の機能を利用したい方向け

価格:34650円(2025年7月現在)
全高:62cm
重量:360g
耐荷重量:20kg

なお、G2についての興味のある方はこちらの記事も参考にしてみてください。

ここは良い!

  • 前後、左右はギア駆動、また最上部のクランプ部分はギア駆動機構はないが、パンニングは可能。
  • 底部にアルカスイス互換のプレートが付いており、やや腰高にはなるが、他雲台と組み合わせし、手軽にギア雲台の機能が追加できる。

注:G2のクランプのノブは誤操作防止で加工済

注:G2のクランプのノブは誤操作防止で加工済

  • ギアによる角度調整の動きは非常に滑らかで、角度調整用のノブを回した場合に重い⇒軽いなどの負荷の変動は少ない。
  • 角度調整が中央に戻った際、小さなクリック感がノブに伝わるので、中心に戻ったことが触感でわかる機構が搭載。
  • ギアによる角度変更は被写体に向かって回転するように変化するので構図のズレが少ない。

注:G2のクランプのノブは誤操作防止で加工済

ここは気になる、、、、

  • クランプ上面に1箇所水準器が配置。ただしクランプの内部に配置されているので機材を置くと見えなくなる。

注:G2のクランプのノブは誤操作防止で加工済

  • 可動範囲が±10度と狭い。単独での使用よりも自由雲台などと組みわせるのが望ましい。

引用:製品紹介ページより

  • 複数ノブがあるが、全ノブの形状がほぼ同等。クランプとギア駆動用ノブの誤操作のリスクは”ややアリ”。

製品紹介ページより引用+加筆

ノブの誤操作防止策

クランプのノブを誤って操作すると機材の落下リスクがあるため、私はクランプ部分のノブには熱収縮チューブを取り付けし、触感を変えて誤操作を予防しています。

熱収縮チューブでのカスタマイズの詳細はこちらの記事を参考にしてください。

G3:それほど重い機材を使わない方向け

価格:48000円(2025年7月現在)
全高:96mm
重量:450g
耐荷重量:12kg

ここは良い!

  • 前後、左右はギア駆動、また最上部のクランプ部分はギア駆動機構はないが、パンニング可能。
  • 底部にもパンニング機構あり。
  • ギア駆動のON/OFFの切り替えノブを搭載。ギア駆動をOFFにして大きく構図を調整後、ギア駆動をONにしてギア駆動で微調整という操作が可能。
  • 可動範囲は前後に+115度~-50度、左右は±40度でそれなりに広い。

引用:製品紹介ページより

ここは気になる、、、、

  • (手元にないので保有するG4Proと同等機構から想像する使用感になるが)角度調整用のノブを回していると、重い⇒軽いなどの負荷の変化は”ややある”。
  • G4pro、G4と同様、ギアによる角度変更は被写体から離れるように角度が変化する。
  • パンニング用、ギア駆動のON/OFF切り替え用、ギア駆動での角度調整用、クランプ用 と多数ノブがあるので操作はやや難しい。ただし全ノブの形状が異なるため、誤操作のリスクは少ない。
  • 重量と価格の割に耐荷重量が低い。例えば望遠レンズをつけたフルサイズカメラをG3に搭載して安定して操作するのは厳しいと思われる。

G4:構図をこだわって追い込みたいハイアマチュアな方向け

価格:71280円(2025年7月現在)
全高:108mm
重量:690g
耐荷重量:20kg

ここは良い!

  • 前後、左右はギア駆動、また最上部のクランプ部分はギア駆動機構はないが、パンニング可能。
  • 底部にもパンニング機構あり。
  • ギア駆動のON/OFFの切り替えノブを搭載。ギア駆動をOFFにして大きく構図を調整後、ギア駆動をONにしてギア駆動で微調整という操作が可能。

ここは気になる、、、、

  • 角度調整用のノブを回していると、重い⇒軽いなどの負荷の変化は”ややある”。
    ただし(個体差によるものと思われるが)手持ちのG4はG4proよりノブは軽めの操作感で、重い⇒軽いなどの負荷の変化量は少ない。
  • G4pro、G3と同様、ギアによる角度変更は被写体から離れるように角度が変化する。
  • 可動範囲は前後に+90度~-50度、左右は±40度。G3より前後の可動範囲はやや少ない。

引用:製品紹介ページより

  • パンニング用、ギア駆動のON/OFF切り替え用、ギア駆動での角度調整用、クランプ用 と多数ノブがあるので操作はやや難しい。ただし全ノブの形状は異なるため、誤操作のリスクは少ない。

G4の関連製品

G4にはシルバーカラーの『スペシャルバージョン』が存在します。
モデル名は『Leofoto G4 Silver』です。

G4 SilverはWings of Godシリーズの三脚『ガブリエル』LG324Cと組み合わせると最高にかっこよいです。

引用:ロカデザイン商品紹介ページより

この三脚は単独では購入できず、シルバーの雲台(LH40R)とセット購入になります。
なお、ガブリエルに関してさらに詳細が気になる方はこちらの記事を参考にしてください。

GR2:保有する機材にパンニング方向のギア駆動を追加したい方向け

価格:17000円(2025年7月現在)
全高:42mm
重量:300g
耐荷重量:20kg

クランプとパンニング(パノラマ)のギア駆動機能のみに特化した製品です。

なお、GR-2についての興味のある方はこちらの記事も参考にしてみてください。

ここは良い!

  • 他の雲台の最上部、あるいは最下部に取り付けて後付でパンニングのギア駆動機能を追加することができる。

  • クランプ側面に2箇所水準器が配置され、機材を載せても視認性はよい。

ここは気になる、、、、

  • ギア駆動のON/OFFの切り替えがないので、角度変更時は角度変更用ノブを回して角度を変更する必要があり、大きくクランプの向きを変える際はやや煩雑。
  • (同機能を保有するG4proでは感じられなかったため、個体差がありそうだが)パンニング用ノブの角度調整用のノブを回していると、重い⇒軽いなどの負荷の変化は”ややある”。
  • クランプ部分はクランプの開閉ノブ、クランプの角度調整用ノブがあり、両ノブの配置は異なり、サイズもやや異なるが、形状は似ているため、誤操作のリスクは”ややアリ”。

  • クランプの角度によってはクランプの両ノブが重なるため操作しづらい時がある。

  • 上部に雲台にネジで取り付け用の穴が空いており、砂などが入るリスクあり

雲台付属のネジは長すぎるので、私は手持ちのネジと雲台付属のネジアダプターで挟み込んで穴を塞いで対応しました。

G20:精密なギア駆動できるレベリングベースを欲しい方向け

価格:50000円(2025年7月現在)
全高:81mm
重量:680g
耐荷重量:30kg

ここは良い!

  • 前後、左右はギア駆動、また、最上部のクランプ部分はギア駆動機構はないが、パンニング可能。
  • 類似のG2と比較し、底部もパンニング機能が追加されている。

引用:製品紹介ページより

  • (手元にないので保有するG2と同等機構から想像する使用感になるが)ギアによる角度調整の動きは非常に滑らかで、角度調整用のノブを回した場合に重い⇒軽いなどの負荷の変動は少ない。
  • (手元にないので保有するG2と同等機構から想像する使用感になるが)角度調整が中央に戻った際、小さなクリック感がノブに伝わるので、中心に戻ったことが触感でわかる機構が搭載。
  • ギアによる角度変更は被写体に向かって回転するように変化するので構図のズレが少ない。
  • クランプ上面に2箇所水準器が配置され、機材を載せても視認性はよい。

引用:製品紹介ページより

  • 可動範囲が±15度とG2よりやや広い。一般的なレベリングベースと同等の可動範囲。

ここは気になる、、、、

  • レベリングベースとしてネジ止めで取り付けることを想定しているためか、底部にアルカスイス互換のプレートはついていない。

引用:製品紹介ページより

  • G2と比べ、ギア駆動用のノブはクランプのノブよりも大型化はされた模様だが、全ノブの形状がほぼ同等なので、クランプとギア駆動用ノブの誤操作のリスクは”ややアリ”。

GW01:安価にギア雲台の機能が欲しいハイアマチュアな方向け

価格:40000円(2025年7月現在)
全高:123mm
重量:1000g
耐荷重量:8kg

ここは良い!

  • 前後、左右、パンニング3軸すべてギア駆動機構が搭載されている。
  • 価格は比較的安価。
  • ギア駆動用ノブの前に配置された樹脂製ノブを回しながら雲台本体を動かすことで、ギア駆動が解除され、大幅な構図変更がギアを使わずに素早く行える。
  • クランプ上面、側面にそれぞれ水準器が配置され、機材を載せても視認性はよい。

引用:製品紹介ページより

ここは気になる、、、、

  • 複雑な形状をしているため、三脚ケースに入らないなど、持ち運びは煩雑になりそう。
  • 3軸にギア駆動機構を搭載、一時的にギア駆動を解除する機構も具備している点は魅力だが、耐荷重が低めで重量も重い。

LH40GR:複雑な操作は苦手で機材もたくさん用意したくない方向け

価格:57420円(2025年7月現在)
全高:128mm
重量:740g
耐荷重量:20kg

自由雲台LH40のクランプ部分がギア雲台G2に乗せ変わった製品です。

ここは良い!

  • G2の可動範囲の狭さをベース部分の自由雲台で補完できる製品。
  • 前後、左右はギア駆動、また最上部のクランプ部分はギア駆動機構はないが、パンニングは可能。
  • 自由雲台部分の下部にもパンニング機能を搭載。
  • (手元にないので保有するG2と同等機構から想像する使用感になるが)ギアによる角度調整の動きは非常に滑らかで、角度調整用のノブを回した場合に重い⇒軽いなどの負荷の変動は少ない。
  • (手元にないので保有するG2と同等機構から想像する使用感になるが)角度調整が中央に戻った際、小さなクリック感がノブに伝わるので、中心に戻ったことが触感でわかる機構が搭載。
  • ギアによる角度変更は被写体に向かって回転するように変化するので構図のズレが少ない。
  • ギア駆動部の可動範囲は±10度と狭いが、ベース部分の自由雲台により可動範囲は広い。

ここは気になる、、、、

  • G2同様、クランプ上面に1箇所水準器が配置。ただしクランプの内部に配置されているので機材を置くと見えなくなる。
  • ギア駆動部には複数ノブがあるが、全ノブの形状がほぼ同等。クランプとギア駆動用ノブの誤操作のリスクは”ややアリ”。

LH47GR:複雑な操作は苦手で機材もたくさん用意したくない方向け

Leofoto LH-47GR Geared Head | ロカ・デザイン -KANI正規代理店-
Leofoto (レオフォト) LH-47GR ギア自由雲台 従来の製品と比べてさらに固定力の強いLH-47をベースに精密な構図を作り込めるギアユニットを搭載したLH-47GR。 <素早い構図決めと精密な調整が両立した自由雲台>ギア搭載自由...

基本は三脚とのセット販売品。雲台単品で購入できるのはロカデザインさんのHPのみ。

価格:59800円(2025年7月現在)
全高:138mm
重量:800g
耐荷重量:20kg

自由雲台LH47のクランプ部分がギア雲台G2に乗せ変わった製品です。

ここは良い!

  • 先述したLH40GRの自由雲台部分がLH47に置き換わり大型化。安定度が増している。
  • G2の可動範囲の狭さをベース部分の自由雲台で補完できる製品。
  • 前後、左右はギア駆動、また最上部のクランプ部分はギア駆動機構はないが、パンニング可能。
  • 自由雲台部分の下部にもパンニング機能を搭載。
  • (手元にないので保有するG2と同等機構から想像する使用感になるが)ギアによる角度調整の動きは非常に滑らかで、角度調整用のノブを回した場合に重い⇒軽いなどの負荷の変動は少ない。
  • (手元にないので保有するG2と同等機構から想像する使用感になるが)角度調整が中央に戻った際、小さなクリック感がノブに伝わるので、中心に戻ったことが触感でわかる機構が搭載。
  • ギアによる角度変更は被写体に向かって回転するように変化するので構図のズレが少ない。
  • ギア駆動部の可動範囲は±10度と狭いが、ベース部分の自由雲台により可動範囲は広い。

ここは気になる、、、、

  • G2同様、クランプ上面に1箇所水準器が配置。ただしクランプの内部に配置されているので機材を置くと見えなくなる。
  • ギア駆動部には複数ノブがあるが、全ノブの形状がほぼ同等。クランプとギア駆動用ノブの誤操作のリスクは”ややアリ”。

組み合わせパターン別 各種特徴とその評価

各雲台の機能を組み合わせし、『前後(チルト)』『左右(スウィング)』『パンニング』3軸すべてギア駆動を実現する条件で各機材を比較しました。

なお、各スペックの前提条件は下記としています。

  • 価格:2025年7月現在のロカデザイン企画(KANIフィルター)のHP上の価格を用い、使用する各機材の価格を合算
  • サイズ(全高):情報量が多くなることと、雲台の比較の際に”サイズとして”最も気になるのはどの程度腰高になるのか と思われるので、今回は全高のみ記載。
    なお、全高表記にあたり、一部雲台は他の雲台と組み合わせるため雲台下部にアルカスイス互換のプレートが付いていてプレートは取り外しができますが、手元に実物がない雲台もあり、プレートを除く全高がわからないため、各機材単体の全高を単純に合算。
  • 重量:サイズの条件と同様、プレート込みの重量を単純に合算。
  • 耐荷重量:製品紹介ページの値を引用。なお、組み合わせる機材の耐荷重量に差異がある場合は小さい方の数字を組み合わせた機材の耐荷重量とした。
  • コスパ:機材を組み合わせした場合のスペック比較にはコスパ(コストパフォーマンス評価)も加えた。コスパ=価格/耐荷重量(1kg支えるのにいくらかかるのか)で算出。
  • 総合評価:価格、全高、コスパ、特徴(パンニングの自由度等)などから満点5つ星で評価。
    ※全くの独断と偏見でスコアをつけていますのであくまで参考として見てください。

GR2+G3

価格:65000円(2025年7月現在)
全高:138mm
重量:750g
耐荷重量:12kg
コスパ:5417円
総合評価:★

ここは良い!

  • G4proとの違いはG3のクランプのパンニング機能が使えること。
    パンニング方向に大きく構図を変えたい場合は非常に有効。
  • G4proよりも少し軽く(G4pro 870g)、価格が安い(G4pro 86000円)のがメリット。

ここは気になる、、、

  • 機能的にはほぼG4proと変わらないが耐荷重量が低く(G4pro 20kg)コスパは悪い。

注:G3は保有していませんが、イメージを掴んで頂くためにG4(シルバー)にGR2をつけたところを参考にお見せします。G3はG4よりも実際はもう少し小さいはずです。

GR2+G4

価格:88280円(2025年7月現在)
全高:150mm
重量:990g
耐荷重量:20kg
コスパ:4414円
総合評価:★★★

ここは良い!

  • G4proとの違いはG4のクランプのパンニング機能が使えること。
    パンニング方向に大きく構図を変えたい場合は非常に有効。
  • すでに保有するG4を活かしつつ、パンニングでのギア機構を後付で使いたいケースには有効。

ここは気になる、、、

  • G4proと比べて30mm全高が高くなる(G4pro 120mm)

左:G4pro 右:G4(シルバー)+GR2

GR2+LH40GR

価格:74420円(2025年7月現在)
全高:170mm
重量:1040g
耐荷重量:20kg
コスパ:3721円
総合評価:★

ここは良い!

  • LH40GRにGR2のパンニングでのギア駆動機能を足すコンセプト。
    使い勝手のよいLH40GRに最低限の機材追加で3軸ギア駆動を実現できる。

ここは気になる、、、

  • 全高がかなり高くなり不安定になることを懸念。総重量も1kgを超えて重い

注:LH40GRは保有していませんが、イメージを掴んで頂くためにLH40RにG2+GR2をつけたところを参考にお見せします。

GR2+G2+LH40

価格:80360円(2025年7月現在)
全高:189mm
重量:1200g
耐荷重量:20kg
コスパ:4018円
総合評価:★

ここは良い!

  • 保有済みのLH40にG2とGR2の3軸のギア駆動機能を足すコンセプト。
    G2の可動域の狭さを自由雲台で補完。

ここは気になる、、、

  • 低重心のLHシリーズであっても全高がかなり高くなることと、機材もかなり重くなる。保有済みLH40を活かすにしても、パンニングのギア駆動は諦め、G2のみ追加で留めた方が無難。

注:LH40は保有していませんが、イメージを掴んで頂くためにLH40RにG2+GR2をつけたところを参考にお見せします。LH40Rはパンニングクランプを使用している分、LH40より5mmだけ全高が高いです。

●G2+LH40(参考)
価格:63360円
全高:147mm
重量:900g
耐荷重量:20kg
コスパ:3168円

パンニングがギア駆動にはなりませんが、その点を許容できるなら、もともとLH40が低重心タイプなのもあり、この全高なら許容範囲か。

注:LH40は保有していませんが、イメージを掴んで頂くためにLH40RにG2をつけたところを参考にお見せします。LH40Rはパンニングクランプを使用している分、LH40より5mmだけ全高が高いです。

GR2+G2+LB60N

価格:65650円(2025年7月現在)
全高:157mm
重量:866g
耐荷重量:15kg
コスパ:4377円
総合評価:★★

ここは良い!

  • G2の可動範囲の狭さをレベリング雲台LB60Nで補完するコンセプト。
    G2が±10度、LB60Nが±15度なので総計±25度までは広がる。
    また、ベース部分を自由雲台にしないので全高がとても高くならない。
  • 星空撮影、眼の前で花火が上がるなど、見上げるような構図では可動範囲が不足する可能性があるが、通常の使い方ではこの可動範囲で問題にならないと思われる。

ここは気になる、、、

  • 撮影対象によっては可動範囲が足りなくなる可能性があり、この構成で撮影可能なのか は事前によく検討したうえで適用有無を判断する必要がある。

●G2+LB60N(参考)
価格:48650円
全高:115mm
重量:566g
耐荷重量:15kg
コスパ:3243円
『全高が気になる場合』、『パンニングのギア駆動が必須でない』ならこのパターンもアリ。

GW01

価格:40000円(2025年7月現在)
全高:123mm
重量:1000g
耐荷重量:8kg
コスパ:5000円
総合評価:★★★

ここは良い!

  • 3軸がギア駆動、3軸ともに一時的にギア駆動をOFFすることができ、大胆な構図変更時にも柔軟に対応可能。
  • 価格も魅力的。

ここは気になる、、、

  • 耐荷重の低さと、形が複雑で持ち運びが煩雑そう
  • 1kgと重量も重めなのでこの総合評価。

G4pro

価格:86000円(2025年7月現在)
全高:120mm
重量:870g
耐荷重量:20kg
コスパ:4300円
総合評価:★★★★

ここは良い!

  • 3軸がギア駆動。価格は高めだが、全高は抑えられており、重量も1kgを切っている。
  • 3軸のギア駆動をこの1台だけで実現しているため、コスパが高い。

ここは気になる、、、

  • パンニング部分のギア駆動をOFFにすることができない点を気にしないならおすすめ。

目的別!おすすめのLeofotoギア雲台

手軽にギア雲台の機能を試したい場合

『G2』を購入し、必要に応じて保有済みの自由雲台等と組み合わせるのがよいと思います。
特に自由雲台のLHシリーズは低重心なので、G2との相性がよいです。

パンニングのギア駆動はありませんが、前後、左右がギア駆動になるだけでも構図の追い込み精度は格段に上がります。

バランスよくギア雲台の機能を使いたい場合

パンニングのギア駆動に拘らないなら、LH40GR、LH47GRがよいと思います。

やや全高が高くはなりますが、最初からG2が組み込まれているので、自由雲台の機能も活かしつつ、ギア雲台の機能も迅速に使うことができます。

Leofoto LH-47GR Geared Head | ロカ・デザイン -KANI正規代理店-
Leofoto (レオフォト) LH-47GR ギア自由雲台 従来の製品と比べてさらに固定力の強いLH-47をベースに精密な構図を作り込めるギアユニットを搭載したLH-47GR。 <素早い構図決めと精密な調整が両立した自由雲台>ギア搭載自由...

LH47GRは基本は三脚とのセット販売品。雲台単品で購入できるのはロカデザインさんのHPのみ。

本格的にギア雲台の機能を使いたい場合

本格的なギア雲台をさらに目的毎に整理するとこのような分類になります。
参考にしてみてください。

  • 3軸ギア駆動、全高、重量、コスパを考えると『G4pro』
  • パンニングのギア駆動に拘らないなら『G4』
  • 使用する機材が軽く、できるだけ安く、3軸をギア駆動させたいなら『GW01』

まとめ

かなり長い記事にもかかわらずここまで読んで頂いてありがとうございます。

実際に保有している機材も多いので、メーカーのHPでは触れられていない使用感等も細かく書かせてもらいました。

今回の記事、スペックの調査と整理、使い勝手の良さそうな組み合わせの選定にはかなり時間がかかりましたが、ギア雲台選定時のご参考になれば幸いです。

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