今回はこんな記事です。
はじめに
三脚を利用した長時間露光の際はブレを防止するため、基本的にはレリーズを使用します。
ワイヤレス式レリーズを使うならまだしも、有線式のレリーズを使用する場合、撮影をしない間の待機中にレリーズを置いておく場所は意外に困ります。
レリーズを三脚の適当な場所になんとなく置いておくか、ブラブラとぶら下げておくか になりますが、あまり座りがいいものではありません。
特に、私は花火撮影の際、花火が上がっている限られた時間内で縦構図、横構図を同時に撮影するため、カメラは2台構成を取ることが多いです。
このため、待機中は2台のレリーズがブラブラしていることになることもあり、よい機材がないか長い間探していました。

なお、花火撮影の撮影テクニックについてはこちらの記事を参考にしてください。
超安価にレリーズを固定するアイテムについて(ケーブル結束用マジックテープ)
レリーズの固定用機材に求める条件は下記です。
- 撮影の待機中のみ必要で、撮影時は不要になるため、レリーズ固定用の機材は嵩張らないこと。撮影の待機中のみ必要で、撮影時は不要になるため、できれば安価なこと。
- 待機⇒撮影の流れをスムーズにしたいので『固定』⇔『外す』に手間がかからないこと。
- 機材構成によりレリーズを固定したい場所が微妙に変わるので固定位置が調整できること。
- 固定力が強すぎないこと。一方で弱すぎてすぐにレリーズが落ちるようなこともないこと。
これら条件を満たすものが見つかりましたので紹介します。
な~んだ かも知れませんが、、、マジックテープを使います。
ただし、一般的なマジックテープでなく、ケーブル結束用のものを利用します。
形状はこんな感じのものがよいです。
- マジックテープを通すことができるように片方の端に穴が空いて幅広になっているもの
- 裏面が全面にフックになっているもの


ケーブル結束用のマジックテープはAmazonなどでも買えますが数10本単位等、相当な本数の商品が多いので、100円ショップなどで少量を買うのがよいと思います。
なお、マジックテープでは三脚の脚(円柱)にレリーズを取り付けるため、接触面は細くなり、十分に面積が取れません。
ただし、ケーブル結束用のマジックテープは一般のマジックテープよりもフック面がきめ細かく、接着力が一般のマジックテープよりも強いようです。
マジックテープの取り付け方法
三脚とレリーズへのマジックテープの取り付け手順は下記です。
① 三脚の脚でレリーズを固定したい場所にマジックテープ裏巻きしてフック面(硬い方)が表に出るように巻きます。
この際、マジックテープの幅が広いところをレリーズを固定したい方向に向けます(こうすると固定力が上がります)。

② レリーズ側は通常の巻き方にしてループ面(柔らかい方)が表になるように巻きます。

③ マジックテープで三脚の脚にレリーズを貼り付けます(固定力が不安な場合は三脚の脚に裏巻きするマジックテープを増やしてください)。

マジックテープを利用するメリット
何より超安価です。場合によってはご自宅にあるものを利活用できます。
前述した『レリーズの固定用機材に求める条件』がすべて満たせますし、固定位置の調整も簡単で、固定力の調整もマジックテープを増やすだけでよいので楽です。
また、三脚の脚の径の太さに対応した調整も容易で、レリーズの大きさ・形状にもある程度柔軟に対応できます。
なお、マジックテープをつけることでレリーズ使用時に違和感等あるかと懸念しましたが、ロール面が柔らかいので、むしろ、レリーズが握りごごちよく感じました。
固定力も十分で、撮影の待機中も落ちることもなく、一方で強すぎることもなく、非常に使い勝手がよかったです。
他に候補に挙がった方法と選択しなかった理由
マジックテープを使う別の方法(レリーズのケーブルを固定)
レリーズのケーブル自体をマジックテープで三脚の脚に固定する方法も検討しました。

しかしながら、この方法では
- 待機状態⇒撮影時にケーブルを引っ張り出す一手間がかかる
- あるいは撮影時にマジックテープでの固定自体を解除するなどしなければならず、待機(レリーズ固定)⇔撮影(レリーズの固定を解除)を頻繁に繰り返す場合は使い勝手が悪い
以上から採用しないことにしました。
なお、前述のような今回の記事で紹介した方法は
- 三脚にレリーズを固定時は三脚と一体化しつつも
- 三脚から外した場合はレリーズ単体としても分離して使用できる
上記が両立する操作性にできるので、ご紹介したような『マジックテープを裏巻きにして固定する』方法を選択しました。
レリーズを固定するための専用の機材
SLIKからレリーズ固定用の機材『レリーズホルダー』が販売されています。
専用品なだけに使い勝手は良さそうなのですが、この製品、レリーズホルダーを三脚の脚にマジックテープで固定するため、装着の相手となる三脚グリップ(3本)もセットの製品になっています。
レリーズホルダーと三脚グリップが必ずセットになっていることもあり、値段がそこそこします(2025年6月現在 4000円超)。
三脚グリップが必要な方はよいかもしれません。
ただし、私はカーボン三脚を使っていることもあり、三脚グリップの必要性をそれほど感じておらず、レリーズを固定するためだけにこの出費は高いと感じ、選択しないことにしました。
三脚ポーチ
このようなモバイルバッテリー用ポーチを使用することも検討しました。
- 基本的にモバイルバッテリー等を収納する前提なので、大きさがやや大きい。
- それなりの横幅のものを入れる前提なので、下面左右に穴があり、そこからレリーズが落ちてしまうリスクがありそう
以上から選択を見送りました。
折りたたみ傘用のホルダー
- 布製のホルダーはレリーズに対して大きすぎて使い勝手が悪そう
- 開口部の大きなプラスティックのケース(筒)の場合もそれなりのサイズ。
また、基本的に撮影の待機中にしか使用しない割に機材がたためないため、持ち運び時にバッグの中でそこそこスペースを取りそう
以上から選択を見送りました。
マグネットシート
三脚とレリーズにマグネットシートを貼り付けることも考えましたが
- 三脚へレリーズを固定する位置が決まってしまい、固定位置の微調整がしにくい。
- レリーズの脱着を繰り返すといずれマグネットシートが剥がれてきそう。
- 電子的な機器(レリーズ)に対して磁気を帯びたものを常時貼り付けるのはできればやりたくない。
以上から選択を見送りました。
まとめ
それなりに長期間に渡り、いろいろなものを調査・検討してきましたが、まさかマジックテープの裏巻きで解決できるとは、『灯台下暗し』いった ところです。
先日、長時間の花火撮影で実際に使いましたが、使い勝手がよく、なによりコストパフォーマンスも抜群なので大満足です。
で、、このマジックテープ式のレリーズを使ってこんな写真が撮れました。




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