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KANI Switch Holder S100IV 完全ガイド ~取り付け方法からケラレ検証、応用の使い方まで~

今回はこんな記事です。

2枚の角型フィルターをそれぞれ独立して角度を変えて使用できるSwitch Holder S100IVの紹介です。KANIフィルター公式HPでは取り付け方法などの詳細が読み取れませんでしたので、この記事にて取り付け方法、使い勝手などの詳細を解説します。

Switch Holder S100IV全体像

どのような製品かまずは見て頂くのがよいと思うので、最初に製品取り付け後のイメージを紹介します。

まず、2枚の角型フィルターセットします。

スイッチホルダーに角型フィルターを装着したところ

Switch Holder S100IV(以降、S100Ⅳ)を使うことで、このように複数の角型フィルターをそれぞれ別の角度に回転させることができるようになります。

スイッチホルダーに角型フィルターを装着したところ(それぞれ違う角度に傾けたところ)

S100Ⅳはアタッチメント単体となり、角型フィルターを用いた撮影には、別途HT100IV型の角型フィルター用ホルダーが必要なので注意してください。

なお、HT100Ⅳ型の角型フィルター用ホルダーの詳細はこちらの記事も参考にしてください。

Switch Holder S100IVを使用する代表的なシーン

  • 山、谷など、複雑な形状の撮影対象に対し、角度を変えたNDフィルターを複数を組み合わせてNDフィルター効果を発揮する場所を”より複雑な形状”に対応させたい。
  • 複数の効果が異なるフィルター(斜光系とパーシャルミスト系等)の効果が有効になる”向き”をそれぞれ変えて使用したい。

例えば上記の様な場合に使用します。

通常の角型フィルター用ホルダーでも複数の角型フィルターを装着可能ですが、ホルダーを回転させ、効果が有効になる”角度”の変更を行った場合、すべての角型フィルターが同じ方向になってしまいます。

角型フィルターを2枚装着したところ

通常のホルダーは角型フィルターを複数枚装着可能だが、、、

角型フィルターを2枚装着したところ(一緒に回転してしまう)

通常のホルダーではすべての角型フィルターが一緒に角度が変わってしまう

これに対し、S100Ⅳは角型フィルターそれぞれの角度を変えられるので、複数の角型フィルターの効果の方向を独立して制御できます。

S100Ⅳに複数枚の角型フィルターを装着したところ

S100Ⅳも複数枚の角型フィルターを装着可能

S100Ⅳではそれぞれの角型フィルターの角度を別に変えられる

S100Ⅳではそれぞれの角型フィルターの角度を別に変えられる

Switch Holder S100IVの使用感

S100IVは2重のリング構造になっていて、裏面のリングをHT100Ⅳ型の角型フィルター用ホルダー(以降、HTⅣ)にネジ止めして使用します。
S100IVのリングは金属製の部材で、リングの回転は適度な負荷がありつつもスムーズです。

スイッチホルダーを正面から見たところ

S100Ⅳを正面から見たところ

スイッチホルダーを裏面から見たところ

S100Ⅳを裏面から見たところ

前面のリングには角型フィルター用スロット1枚分が装着されていて、こちらを増設することはできません。1枚固定です。

届けられる製品にはS100IV本体とネジ、六角レンチが同梱されています。
ネジは取り付けるHTⅣのスロット装着枚数に応じた、長短で2種類、それぞれ4本ずつ同梱されています。

スイッチホルダーの同梱品

Switch Holder S100IVのHTⅣへの取り付け方法

S100ⅣのHTⅣへの取り付け方法詳細を説明をします。

まず、『S100IV』とHTⅣを準備します。

Switch Holder S100IVとHTⅣ

左:Switch Holder S100IV、右:HTⅣ

HTⅣのホルダースロットを固定している背面のネジを六角レンチで外して、スロットの部材を外します。

スイッチホルダー背面の4つのネジ穴

スロットの部材は最上面部(スロット1枚分装着可)、角型フィルター固定部(一つの部材に対してそれぞれスロット1枚分装着可)、最底面部で構成されています。

ネジを外してスロットの部材を分解したところ

ネジを外してスロットの部材を分解したところ

HTⅣ本体で使用したい角型フィルターの枚数に応じてスロットを残します。

HTⅣ本体部分のスロットは角型フィルター2枚分か1枚分のどちらかの枚数を選択をすることができ、枚数に応じてS100Ⅳ同梱のネジの長短を選択します。

S100IV同梱のネジとHTⅣで使用しているネジは長いネジ、短いネジともに長さが微妙に違います。S100IV(スイッチホルダー)取付時はHTⅣのネジは使わず、S100Ⅳ同梱のネジを必ず使うようにしてください(本件、KANIフィルターの代理店であるロカユニバーサルデザインさんにも確認済み)。
スイッチホルダーとHTⅣのネジの長さの比較

S100Ⅳに角型フィルターが1枚(取り付け可能枚数は1枚で固定)取り付けられますので、例えばHTⅣ本体部分のスロットを2枚にするとホルダーには総計3枚の角型フィルターが取り付けられることになります。

Kei
Kei

詳細なケラレのデータは後述しますが、HTⅣの前段にさらにS100Ⅳの部材が増えるので、ケラレが気になる方はHTⅣ部分は1枚だけにするのが無難だと思います。

S100Ⅳを取り付ける際は最上面部の部分にS100Ⅳを固定することになるため、最上面部の部材は外し、

  • HTⅣがスロット2枚構成の場合
    「角型フィルター固定部」「角型フィルター固定部」「最底面部」
  • HTⅣがスロット1枚構成の場合
    「角型フィルター固定部」「最底面部」

でHTⅣのスロットを構成するようにしてください。

角型フィルターを2枚装着できるようにスロットを2つにした場合

角型フィルターを2枚装着できるようにスロットを2つにした場合

なお 『最上面部』『角型フィルター固定部』は左右のどちらか片方に”バネ機構”が具備されており、左右で部材の内部形状が違いますので混乱しないようにしてください。

スロットの部品の比較(バネ機構ありとバネ機構なし)

Kei
Kei

『バネ機構』は左右どちらにつけても問題ありませんが、使い勝手(感触)を考慮するとどちらか片方に集めるのが無難ではないか とは思います。

HTⅣのスロット部に必要枚数分のスロットを取り付けた後、さらにS100Ⅳを取り付けます。
HTⅣのスロットからわずかに出ているネジの頭をS100Ⅳ裏側のネジ穴に合わせて締め付けして固定します。

HTⅣにスロットをつけたところ(この例は1枚)

HTⅣにスロットをつけたところ(この例は1枚)

S100Ⅳの裏面

S100Ⅳ(スイッチホルダー)の裏面

これで完成です。

スイッチホルダーとHTⅣを装着後

スイッチホルダーとHTⅣを装着後

なお、『S100IV Switch Holder set』は最初からHTⅣにS100Ⅳがあらかじめ装着されているセット品です。
通常のHTⅣとは別にS100Ⅳ付きのHTⅣを準備したい方は(HTⅣの追加費用はかかりますが)最初からこちらを購入するとS100Ⅳを取り付ける手間を省くことができます。

Switch Holder S100IVのケラレ検証結果

HTⅣがスロット2枚の場合と1枚の場合でケラレの発生状況を比較しました。
詳細な条件は下記です。

  • ホルダーの機材構成はS100Ⅳ+HTⅣ(HT100Ⅳ)
  • 角型フィルターを装着するパターンはS100Ⅳのみに角型フィルターを装着
    S100Ⅳ側に角型フィルターをつけた場合とつけない場合でそれぞれ検証
  • 使用レンズはNIKKOR Z 14-30mm f/4 S と
    使用レンズはNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S を使用
    (レンズ径はいずれも82mm)
  • ケラレ検証のため、レンズ保護フィルターは外している
  • カメラ本体はZ8を使用。フルサイズ(FX)モードで確認
  • S100Ⅳを正位置で装着しただけの場合とS100Ⅳを回転させた場合でケラレの状況を確認
Kei
Kei

お使いのレンズの特性などによりケラレの出方が変わる可能性があるので、あくまで目安として参照してください。

ケラレの検証結果(14-30mm)

HTⅣがスロット2枚の場合

  1. 角型フィルターを”つけない状態”でS100Ⅳを回転させず正位置で利用時、15.5mmまではケラレました(16mmからはケラレなし)。
  2. 角型フィルターを”つけない状態”でS100Ⅳを回転させると18mmまではケラレました(18.5mmからはケラレなし)。
  3. 角型フィルターをS100Ⅳだけに”つけた状態”でS100Ⅳを回転させず正位置で利用時、16mmまではケラレました(16.5mmからはケラレなし)。
  4. 角型フィルターをS100Ⅳだけに”つけた状態”でS100Ⅳを回転させると19mmまではケラレました(19.5mmからはケラレなし)。

HTⅣがスロット1枚の場合

  1. 角型フィルターを”つけない状態”でS100Ⅳを回転させず正位置で利用時、14.5mmまではケラレました(15mmからはケラレなし)。
  2. 角型フィルターを”つけない状態”でS100Ⅳを回転させると17mmまではケラレました(17.5mmからはケラレなし)。
  3. 角型フィルターをS100Ⅳだけに”つけた状態”でS100Ⅳを回転させず正位置で利用時、15mmまではケラレました(15.5mmからはケラレなし)。
  4. 角型フィルターをS100Ⅳだけに”つけた状態”でS100Ⅳを回転させると18mmまではケラレました(18.5mmからはケラレなし)。
14−30mmについてはS100Ⅳを取り付けただけでケラレが発生しますので、使用する焦点距離に留意する必要があります。

ケラレの検証結果(24-70mm)

HTⅣがスロット2枚の場合

  1. 角型フィルターを”つけない状態”でS100Ⅳを回転させず正位置で利用時、ケラレは発生しません。
  2. 角型フィルターを”つけない状態”でS100Ⅳを回転させると25.5mmまではケラレました(26mmからはOK)。
  3. 角型フィルターをS100Ⅳだけに”つけた状態”でS100Ⅳを回転させず正位置で利用時、ケラレは発生しません。
  4. 角型フィルターをS100Ⅳだけに”つけた状態”でS100Ⅳを回転させると28.5mmまではケラレました(29mmからはOK)。

HTⅣがスロット1枚の場合

  1. 角型フィルターを”つけない状態”でS100Ⅳを回転させず正位置で利用時、ケラレは発生しません。
  2. 角型フィルターを”つけない状態”でS100Ⅳを回転させてもケラレは発生しません。
  3. 角型フィルターをS100Ⅳだけに”つけた状態”でS100Ⅳを回転させず正位置で利用時、ケラレは発生しません。
  4. 角型フィルターをS100Ⅳだけに”つけた状態”でS100Ⅳを回転させると25mmまではケラレました(25.5mmからはOK)。
24−70mmについてはS100Ⅳを取り付けただけでは角型フィルター装着有無にかかわらずケラレは発生しません。S100Ⅳに角型フィルターをセットし、かつ、S100Ⅳを回転させた場合のみ、四隅がわずかにケラレます。

Switch Holder S100IVの応用的な使い方

Switch Holder S100IVの最前面のスロットの構造はHTⅣと同等の構造になっており、HT100IV Foldable Sunshade Hood(以降、サンシェードフード)の取り付けが可能です。

スイッチホルダーの出っ張り部分

通常のホルダーと同様に”ツメ”でサンシェードフードを固定します

通常のホルダーと同様に”ツメ”でサンシェードフードを固定します

サンシェードフードをつけても角型フィルターの操作は可能です

サンシェードフードをつけても角型フィルターの操作は可能です

サンシェードフードをつけても角型フィルターの操作は可能です

サンシェードフードをつけても角型フィルターの操作は可能です

サンシェードフードは基本的に水平に使うのが前提と思われますが、サンシェードフードを斜めにしすぎるとサンシェードフードの重さでS100Ⅳが回ってしまいます。

(S100Ⅳ側を斜めに傾けすぎないで使用する前提にはなりますが)サンシェードフードとS100Ⅳは併用することができます。

また、サンシェードフードとS100Ⅳを付けた状態でも『角型フィルターの上げ下げ』、『角型フィルターの角度変更の操作』も可能で、また、『C-PLフィルターの回転操作』など、基本的な機能に制限などは発生しません。

Switch Holder S100IV利用時の注意点

Switch Holder S100IVはHTⅣにネジ止めして固定するため、簡単に脱着はできません。
また、先述したように広角レンズを使った場合、S100Ⅳを装着時からケラレが発生するため、日常使うホルダーというより特殊な撮影をしたい場合向けに利用するのが無難です。

通常のHTⅣを保有した上で、追加でS100Ⅳ付きのHTⅣを運用する というやり方が無難と思われます(私もそのように運用しています)。

なお、S100IV+HTⅣはHTⅣを2スロットにした場合でもホルダーケースになんとか入ります。追加で適当なケースを準備せずともOKです。

まとめ

撮影の条件によりこのような特殊なホルダーを使いたい場面が稀に発生します。

角型フィルターを使いこなしている方は一つ持っておくと便利な機材です。

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