※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【レビュー】KANIの最新角型フィルター用ホルダー HTⅣレビュー

今回はこんな記事です。

KANIの最新の角型フィルター用ホルダー HTのⅣ型(HTⅣ)を購入しましたので、そのレビューとなります。HTのⅢ型(HTⅢ)との比較はもちろん、HTⅣのかなり細かいところまで徹底レビューしました。

ちなみに、、、私は最初はKANIのホルダーHTⅢを使用しており、その後、マグネット式に非常に興味が湧いて、H&Yのホルダー(K-Series)、H&Yのホルダー(SWIFT)を使用したのち、今回またKANIに戻ってきました・・・という角型フィルターのユーザです。

なお、HTⅣをHT4、HTⅢをHT3と表記している記事もありますが、この記事ではKANIの商品紹介に倣って、ローマ数字(Ⅲ、Ⅳ)で統一して記載します。

理想の角型フィルターシステムとは

私が角型フィルターシステムへ求める理想の条件は下記です。

  • ホルダーがレンズに付けやすく、外れづらいこと
  • ハーフNDの等の色の濃淡の位置調整のためにホルダーを回転等させても、レンズ装着用のアダプターリングが一緒に回転しづらく、ホルダーが外れづらいこと
  • 常時使用することの多いフィルター(CPL等)が取り付けしやすく、外れづらいこと
  • 角型フィルターが取り付けしやすく、外れづらいこと
  • ハーフND等の角型フィルターの色の濃淡の上下の位置調整がし易いこと
  • 角型フィルターを落としたりなどしても割れにくいこと
  • 角型フィルターを触っても指紋などの汚れがつきにくいこと
  • 角型フィルターを複数枚重ねた際、それぞれの角型フィルターを独立して操作できること

KANIのHTⅣは上記をほぼ網羅できており、現時点では一番理想の形に近いホルダーと感じています。

KANIのHTⅢとHTⅣの違い

そもそもHTⅣは角型フィルターにフレームを取り付けて使用する差異があります。
それ以外の差異としては下記となります。

サイズ

角型フィルターにフレームを付けていることから、角型フィルターを取り付けるスロットにおいてHTⅣの方がやや厚みがあります。

HTⅢとHTⅣのスロットの厚み比較

このため、これのケラレを避ける関係上、HTⅣの方が全体に大型になっています。
上下で約6.5mm、左右で約12mm程度大きさが大きくなっています。

HTⅢとHTⅣのスロットの大きさの比較

レンズへの取り付け方

HTⅢ、HTⅣともに82mm径のレンズ用アダプターリングが標準となり、それ以外のサイズのレンズにはステップアップリングを使って装着する構成です。

なお、どちらのホルダーもKANI特有のロック機構がついており、取り付けは簡単で、かつ、外れにくい構造です。

「出っ張り」と「バネ式のツメ」でアダプターリングを固定する形で、非常に安定感があります。

ホルダーへのアダプターリングの付け方 ホルダーへのアダプターリングの付け方 ホルダーへのアダプターリングの付け方

金属部品同士で取り付けされているので、ホルダーを回転させてもアダプターリングが併せて回転してしまうような可能性も低いです。

(CPL等)常時利用するフィルターの付け方

HTⅢはアダプターリング本体にCPL等のフィルターが内蔵されており、フィルターの使用有無を変更する場合はアダプターリング自体を交換する必要がありました。

CPL有無によりアダプターリングを交換要

このため、CPLのあり/なし を切り替える場合、

  1. ホルダーを一度外し
  2. レンズから一旦アダプターリングを外し
  3. CPL付きのアダプターリングに取り替えて
  4. 再度、ホルダーをつけ直し

こんな手順が必要でした。

LPRF(光害カットフィルター)などは撮影中の頻繁な取り外しはありませんが、CPLは条件により使用有無が変化するため、アダプターリング毎交換するのはかなり面倒でした。

一方、HTⅣはマグネット方式でCPLフィルターがアダプターリングへ装着されているので、撮影中の交換はとても簡単で、レンズにアダプターリングを取り付けた以降でもCPLフィルターの装着、脱着が可能です。

手順としては ホルダーをつけたまま、アダプターリングにマグネット式のCPLフィルターを脱着するだけ、、、です。

HTⅣのホルダーへのCPLフィルターの付け方

撮影中に急にCPLをつけたくなったら、、、

HTⅣのホルダーへのCPLフィルターの付け方

マグネット式のCPLフィルターを、、、

HTⅣのホルダーへのCPLフィルターの付け方

ぺしっと装着するだけです。簡単!

これ、HTⅣでの「フレームを使用する機能」以外では目玉の機能となります。

Kei
Kei

アダプターリング内蔵型だったフィルターはマグネット式でも随時リリースされるのではと思われます。個人的にはLPRFが早く出てほしいです。

なお、アダプターリングには別途CPL等を取り付けるためのマグネット機能が内蔵されているもののほかに、単なるアダプターリング機能だけ のものも準備されており、こちらの方がやや安いです。

ホルダーのスロットの数の調整

HTⅢ、HTⅣともにスロット数を3スロット→2スロットに変更するためのネジが標準で同梱されています。

ケラレが気になる方はスロット数の調整が可能です。

ホルダーのスロットの厚み

角型フィルターにフレームを装着して使用するため、HTⅣの方がやや厚みがあります。
約3mm厚いです。

HTⅢとHTⅣのスロットの厚み比較

角型フィルターの挿入時の抵抗

HTⅢにはホルダーに遮光するためのスポンジ状のものが装着されていて、これにより、手前側の1枚目を挿入時はかなり抵抗がありました。

HTⅢに装着されたスポンジ位置

Kei
Kei

カメラ背面から角型フィルターを装着する際はそれなりに力を入れる必要があり、ここは少々使いにくかった。

HTⅣではスポンジの接地面は最小限となっており、また、アルミのフレームを滑らせるので、1枚目であっても角型フィルターの挿入、位置調整はかなりスムーズです。

HTⅣに装着されたスポンジ位置

4箇所にスポンジが配置

HTⅣ向け角型フィルター用フレームについて

フレームのキットにはフレーム本体と角型フィルター取り付け用の金具、金具を留める六角ネジ、六角レンチが同梱されています。

サイズは現時点(2024年2月6日現在)で「100mm✗100mm」、「100mm✗150mm」の2種類。
乗り換えユーザ向けに複数枚(2枚、3枚、5枚)がパッケージ化されたオトクなセットも用意されています。

フレームの素材はアルミの削り出しで、一体成型です。
つなぎ目などはないため、かなりしっかりした作りです。

フレームとフレームに同梱されている部品

フレームの内側の溝に沿って角型フィルターを挿入し、金具で上から抑えて固定する形式です。

フレームにフィルターを取り付けたところ

フィルターの種類(文字)もちゃんと読めます

かなりしっかり留まるため、取り付け後にフレーム内で角型フィルターがガタガタするようなことはありません。

フレーム上部には角型フィルターの装着時に利用する持ち手がついており、角型フィルターの位置調整時などでの操作性もよいです。

また、この持ち手は手持ち撮影時にもここを持って使えるので便利です。

フレームについている持ち手の説明

フレーム左右にはガイドレールがあり、ここを使ってホルダーに挿入する方式です。
なお、ガイドレールにはストッパーがついており、ホルダーに入りすぎることはありません。
このため、不意に落ちてしまうこともありません。

フレームについているストッパーの説明

ストッパーにより、角型フィルターをホルダーに挿入しすぎたことで、フィルターの種類を示す文字が画角に入り込むなんて事故を防ぐこともできます。

Kei
Kei

夜間撮影時、撮影時点では気づかなかったが、出来上がった写真をよ~く見てみたら画角に文字が入り込んで悲しい思いをしたことが何度かあります。こんな事故が防げます。

また、100mm✗100mmのサイズの角型フィルターを使用時は、ストッパーで止まるまで(一番奥まで)差し込むとフィルターが自動的にホルダーのど真ん中に設定されるので、位置の調整等せずともよく楽です。

なお、KANIの場合、フレームのみを購入してもフィルターのラベルカードが入れられる仕様の専用のケースが付いてきます。
これがなかなかかっこよくて、かつ、過去に購入した際に付属していたラベルカードが入れられるのでとても便利。

フィルターケース

ケラレの比較

保護フィルター無しの状態で、HTⅢ、HTⅣについてケラレを比較してみました。
検証で使用したレンズは広角レンズのNikon NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sになります。

  • HTⅢ
    15mmからケラレなし。
    以降、フレームの影響を受けないので枚数を増やしても同じ。
  • HTⅣ
    角型フィルター1枚 14.5mmからケラレなし
    角型フィルター2枚 15mmからケラレなし

    角型フィルター3枚 15.5mmからケラレなし

HTⅣ利用上の注意点

HTⅣはフレームをつけた角型フィルターを取り付ける前提なので、HTⅢ(第三世代)までのシステムを利用していた方は下記の点で注意が必要です。

  • HTⅢへHTⅣ向けの角型フィルター(アルミフレームあり)は取り付けられません。
    アルミフレームを外せば取り付けることができます。
  • HTⅣへHTⅢ向けの角型フィルター(アルミフレームなし)は取り付けられません。
    アルミフレームをつければ取り付けることができます。

各メーカー間で角型フィルターを付け替えできるか

KANI HTⅣ、H&Y、どちらもフレーム付きの角型フィルターを使用しますが、KANIのほうがやや幅が大きく微妙にサイズが合いません。残念。

H&YとKANIのフレームのサイズ比較

このため(実際に試しましたが)
H&YにKANIのHTⅣのアルミフレーム付き角型フィルターは幅が大きくてつけられません。
同じく、KANIのHTⅣにH&Yのマグネットフレーム付きの角型フィルターも取り付けられません。幅が狭いので落ちてしまいます。

なお、同一サイズ同士(100mm✗150mm、100mm✗100mm等)の角型フィルターについては、フレームを外して角型フィルターのガラス単体にし、ガラス単体でHTⅢに利用するか、それぞれのホルダー用のフレームを利用すればKANI、H&Y等、角型フィルターのメーカー間の相互利用は可能です。

今後の拡張性について

HTⅣにはサンシェードフードがつけられるように、取付用の「出っ張り」が最初からついています。将来、HTⅣに対応したサンシェードフードの販売が計画されているようです。

HTⅣのスロットにある「出っ張り」

夏の早朝など、横からの強い光を防ぎたいときなどに角型フィルターをつけたままつけられるサンシェードフードがあるととても便利なので、今後の発売がとても楽しみです。

また(先述もしましたが)LPRF等、マグネット式のフィルターの拡充も濃厚なので、こちらのラインナップ充実も楽しみにしています。

まとめ

KANIのHTⅣ、悩んでいる方も多いと思うので、かなり細かく書いてみました。

久しぶりの長編になりました。最後まで読んで頂いてありがとうございます。

では、以降、今回紹介した製品のリンクです。

①HTⅣ+CPLのみ のセット

② HTⅣ+CPL+フレーム(100mm✗100mm,100mm✗150mmが1枚ずつ)のセット
※フィルターをすでに持っている人にはおすすめのセット

③フレーム (100mm✗100mm)
※複数枚セットで割引のあるセットもあります。

④フレーム (100mm✗150mm)
※複数枚セットで割引のあるセットもあります。

⑤マグネット機能無しのアダプターリング

なお、HTⅣについてはKANIの方からYouTubeでの紹介動画も複数アップされているので、そちらも参考にするとよいと思います。

また、このブログでは以前より各角型フィルターに関するレビューを多数投函しているのでそちらも併せて御覧ください。

【初心者向け】角型フィルターを使ってみよう 〜作例交えて解説〜
円形フィルターの記事に続き、角型フィルターについて書いてみました。角型フィルターだから出来ることを中心にまとめています。凝りだすといろんなことができる玄人好みのフィルターですが、撮影の可能性がとても広がるので使っていて想像力を掻き立てられる楽しい機材です。
KANIとH&Yのフィルターホルダーを比較してみた
KANIとH&Yのフィルターホルダーを比較してみました。私は現在、KANIの角型フィルターユーザーですが、H&Yのシステムにもかなり興味があり、今回、H&Yのフィルターホルダーを購入し、KANI、H&Y 双方の使い勝手を比較してみました。
H&Yの角型フィルター用ホルダーを本格的に使ってみた
ずっと気になって仕方なかったH&Yの角型フィルター用ホルダーを購入し、本格的に使用してみての使用感などをまとめてみました。 一言でまとめると想像していた以上にとても使いやすい!!
ついに、、、角型フィルターシステム完成?
数年かけて角型フィルターを整備してきましたが、ようやく今の自分がやりたいことが全部表現できる「角型フィルターシステム」が一旦?完成したのでご紹介です。撮影シーンごとのフィルターの選択方法も記載するので参考にして下さい。
H&Y REVORING SWIFTシステムのレビュー
H&Yから「角型フィルター用ホルダー」としては最終形ではないか と思われる「REVORING SWIFTシステム」が発売となりました。早速、使用感などレビューしたいと思います。
H&Y SWIFT と K-SeriesホルダーMark II を徹底比較してみた
新発売となった「REVORING SWIFT」と従来品の角型フィルター用ホルダー「K-Seriesフィルターホルダー Mark II」を徹底比較をしてみました。どちらを買おうか購入を迷っている方は参考にしてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました