今回はこんな記事です。
早速入手しましたので使用感などレビューしたいと思います。
H&Yの新製品「REVORING SWIFTシステム」。
クラウドファウンディングとしてプロジェクトが興され、海外サイトでは2022年9月辺りから取り扱いが始まっていることを発見して以降、日本での発売開始をずっと楽しみにしました。
角型フィルター用ホルダーの各機能(パーツ)がマグネット方式で自由に組み合わせができるという画期的なシステムです。
この度、ようやく日本でも発売となり、やっとやっと、、入手することができました。
なお、H&Yの従来品の角型フィルター用ホルダーについては下記の記事に詳細を書いています。そもそもH&Yというメーカーの製品のことをご存知無い方はこの記事も一緒に読んで頂くと今回の記事がよりわかりやすいかと思います。
この「REVORING SWIFTシステム」ですが、2022年10月末に決定した「DGPイメージングアワード2022」にて総合賞(技術/企画賞)を受賞しているとのこと。
業界内でもすでに評価が高いシステムです。
DGPイメージングアワードは、「撮る」、「観る」、「残す」、「編集する」といった、デジタルイメージングにまつわるあらゆるソリューションを対象とした、デジタルイメージングの総合アワードです。審査には、専門メディアなどで活躍するプロの写真家、評論家に加え、毎日製品の品定めをしている全国の有力量販店が参加。写真のプロ、カメラのプロに認められた製品が選出されます。
部門賞に選出された製品の中から、最も優秀であると評価された製品を総合賞「総合金賞」「審査委員特別賞」「技術/企画賞」として選出。総合賞は、性能や機能だけでなく、デザインやコストパフォーマンス、市場創造性、提案性などあらゆる側面が加味され、選出されます。
SWIFTシステム全体構成
SWIFTシステムはH&Yの用語を使うと「ベース」、「ブリッジ」、「アクセサリー」の3つのパートで構成されている製品です。
すべてのパーツがマグネットで組み合わされており、各パーツをまるでブロック遊びの様に自由に組み合わせて角型フィルターシステムを組むことが出来ます。
◯「ベース」の役目
レンズに角型フィルター用ホルダーを取り付けるための基礎となるパーツです。
レンズに直接取り付けし、他のSWIFTシステムのパーツをマグネット方式にて追加で取り付けられるようにします。
ねじ込み式のアダプターリング以外にREVORING機構を持ったものも選択出来ます。
◯「ブリッジ」の役目
「ベース」と「アクセサリー」の間にあるパーツです。
ここにドロップインフィルターを挿入することも出来ます。
「ベース」にマグネット方式で取り付けします。
◯「アクセサリー」の役目
最終的にこのシステムで「何をしたいか」の目的に合わせて使い分けします。
「ブリッジ」にマグネット方式で取り付けします。
「アクセサリー」には「角型フィルター用ホルダー」をつけることが大多数と思いますが、ここを「レンズフード」に交換したり、遮光用に「マットボックス」に交換することも出来ます。
詳細はH&Yの下記の紹介動画を見て頂くのが一番よいと思います。
SWIFTシステムの主な特徴
REVORINGの機構が採用
レンズに装着する角型フィルター装着用アダプターリングはネジ溝でのねじ込み式とREVORING型の2種類を選択できるようになりました。
従来品の角型フィルター用ホルダー(100mm K-Seriesフィルターホルダー Mark II)ではアダプターリングがねじ込み式だけで、H&YなのにREVORINGの画期的なシステムを適用してほしいとずっと思ってましたが、今回やっとリリースされました!
角型フィルター用ホルダーの装着方式がマグネット式に
従来品ではアダプターリングに角型フィルター用ホルダーを上から被せるような方式でした。
- 角型フィルター用ホルダーについている2つの固定用ネジの間にアダプターリングを入れるのに多少コツがいる。レンズ交換時などでの夜間の取り付けは少々煩雑。
- 固定用ネジの下部のゴムにより角型フィルター用ホルダーを固定しているので、縦構図⇔横構図の切り替えに合わせて頻繁に角型フィルター用ホルダーを回転させた際、アダプターリングをかなり強く締め付けて置かないとゴムの摩擦力によってアダプターリングも連動して回転してしまい、ホルダーがレンズから外れそうになることがあった。
などがあって、地味に使いづらかったのがようやく対応されました。
以下、従来品の角型フィルター用ホルダーの取り付け方法です(ご参考)。
すべてのパーツがマグネット式で装着
詳細後述しますが、アダプターリングをつけてしまえば、以降はすべてのパーツがマグネットで装着されるので、脱着はもとより、使いたいシーンに合わせてパーツの抜き差しの選択が可能になりました。これがかなり便利。
システムの組み方(基本編)
理屈がわかるとそれほどでもありませんが、初見ではなかなか理解が難しいシステムです。
以降、極力簡単に説明したいと思います。
興味のある方はニコンプラザ(東京と大阪)にデモ機材が置いてあるようなのでお近くの方は実物を手にとって見てみてください。
①レンズへのアダプターリングの取り付け(ベース部)
パーツがすべてマグネット式で構成されるので、まずはこれにレンズが対応しないとシステムが組めません。
なお、方式は2種類選択することができます。
- マグネット方式に対応したアダプターリングを装着(ねじ込み式)
→62、67、72、77、82、86、95mmが選択可(2022年11月13日現在) - マグネット方式に対応したREVORINGを装着(注)
→46-62mm、58-77mm、67-82mm、82-95mmが選択可(2022年11月13日現在)
REVORINGにフィルター機能が組み込まれているタイプ(※)はマグネット方式に対応しているので(REVORINGと一体型しているフィルター機能が常に有効にはなりますが)、B)のREVORING型アダプターリング として代用することが出来ます。
※・・フィルター一体型REVORINGのラインナップ(2023年7月現在)
REVORING Black Mist(BlackMistフィルター一体型)
REVORING White Promist(White Promistフィルター一体型)
REVORING MRC CPL(C-PLフィルター一体型)
REVORING Vari NDxx(可変式NDフィルター一体型)
②ブリッジリングの取り付け(ブリッジ部)
角型フィルター用ホルダーを固定するためにブリッジリングを取り付けます。
③角型フィルター用ホルダー取り付け(アクセサリー部)
角型フィルター用ホルダーの本体を取り付けます。
ここまでが基本的な構成となります。
システムの組み方(応用編)
④ドロップインフィルター挿入(ブリッジ部)
②のブリッジリングをドロップインフィルターラックに交換することでドロップインフィルターが挿入できるようになります。
なお、ドロップインフィルターは従来品がそのまま使えます。
具体的な組み合わせ例
以降、目的ごとに具体的な組み合わせ例を示します。
説明を読んで頂くと分かると思いますが、自分の目的に合わせて実に多彩に構成を組み替えることが出来ます。
しかも、、それらがすべてマグネット方式なので組み換えは簡単です!
①最小構成
ドロップインフィルターを使わない場合の最小構成。
ベース部のアダプターリングにREVORINGを使わないため、ケラレ対策に有効。
<ベース部>
・SWIFTマグネティックアダプター(広角レンズ向け薄枠アダプター)
<ブリッジ部>
・SWIFT マグネティック ブリッジリング(SWIFT Magnetic Bridge Ring)
<アクセサリー部>
・SWIFT マグネティック 100mmフィルターホルダー(SWIFT Magnetic 100mm Holder)
②ドロップインフィルター挿入
ドロップインフィルターを使う場合。
ベース部のアダプターリングにREVORINGを使わないため、ケラレ対策に有効。
ドロップインフィルターを使わない場合に比べ、ややケラレリスクあり。
<ベース部>
・SWIFTマグネティックアダプター(広角レンズ向け薄枠アダプター)
<ブリッジ部>
・SWIFTマグネティックドロップインフィルターラック(RD100)
<アクセサリー部>
・SWIFT マグネティック 100mmフィルターホルダー(SWIFT Magnetic 100mm Holder)
③最小構成(REVORING使用時)
①のマグネティックアダプターがREVORINGに置き換わったのみ。
REVORING を用いるので、アダプターリングをねじ込む作業が不要となり、取り付け、取り外しが非常に容易になる。
ただし、全体の厚みが増すのでケラレに注意。
<ベース部>
・REVORING SWIFT マグネティック可変式アダプター
<ブリッジ部>
・SWIFT マグネティック ブリッジリング(SWIFT Magnetic Bridge Ring)
<アクセサリー部>
・SWIFT マグネティック 100mmフィルターホルダー(SWIFT Magnetic 100mm Holder)
④ドロップインフィルター挿入(REVORING使用時)
ドロップインフィルターを使いたい場合。
ドロップインフィルターラックにブリッジリング相当の機構があるので「SWIFT マグネティック ブリッジリング」は不要。
REVORING を用いるので、アダプターリングをねじ込む作業が不要となり、取り付け、取り外しが容易になる。
ただし、全体の厚みが③に比べ更に増すのでケラレに注意。
<ベース部>
・REVORING SWIFT マグネティック可変式アダプター
<ブリッジ部>
・SWIFTマグネティックドロップインフィルターラック(RD100)
<アクセサリー部>
・SWIFT マグネティック 100mmフィルターホルダー(SWIFT Magnetic 100mm Holder)
使用感について
アダプターリングの取り付け
SWIFTシステムのねじ込み式のアダプターリングについては従来品と同等に「ねじ込み式」ですが、Slim型(ケラレ対策型)なのでレンズ方向に少しくぼんでいます。
このため、夜間の取り付け時などはこのくぼみがガイド的な役割をして取り付けが楽になりそうに思います。
実際、今回の記事を書くにあたり、操作感の検証のため、何度もアダプターリングの取り付け、取り外しをしましたが、従来品よりも取り付けが楽でした。
また、REVORING型のアダプターリングについては確認するまでもなく(ケラレの懸念はありますが)操作の快適性は予想通り素晴らしいものです。
手元が暗い夜間撮影時などにはかなり威力を発揮しそうです。
角型フィルター用ホルダーの取り付け
従来品のH&Yの角型フィルター用ホルダーについては、前述したようにアダプターリングとホルダーの取り付けは正直使いにくく、特に夜間の作業時は取り付け、取り外しは少々煩雑でした。
今回のシステムではこれらがマグネット式になり、煩雑さが一気に解消しました。
また、従来品は固定設定だったドロップインフィルター用ラックの取り付け有無の選択肢ができたため、特に広角レンズを使った際のケラレ対策にはかなり有効です。
構図切り替えについて
前述したように、従来品では縦構図⇔横構図の切り替えに合わせて頻繁に角型フィルター用ホルダーを回転させた際、アダプターリングをかなり強く締め付けて置かないとゴムの摩擦力によってアダプターリングも連動して回転してしまい、ホルダーがレンズから外れそうになることがありました。
SWIFTシステムではブリッジリングの裏側に回転を想定した別のリングが付いており、角型フィルター用ホルダーを回転させてもその影響がアダプターリング側に及びにくいようになっています。
なお、同じく「ブリッジ部」として使用するドロップインフィルターラックには上記機構はついていませんでした。
ただし、ドロップインフィルターラックとアダプターリングは金属同士なので、従来品のように摩擦力が高いものがなく、今回使用感を確認した限りでは角型フィルター用ホルダーを回してもアダプターリングに影響はしなさそうです。
ホルダーが外れそうになるのは、そもそもアダプターリングを強くねじ込まないのが悪い って言われそうですが、、、
実際の撮影時ってレンズ保護フィルターをつけたままのときが多いのですが、あまり強くねじ込みすぎるとアダプターリング外す際にレンズ保護フィルターも一緒に取れて来ちゃうときがあって、アダプターリングから外すのが大変です。
アダプターリングは”それなりの強さ”に抑えたねじ込みで済ませたいのです。
マグネットの吸着力について
すべてのパーツがマグネットで固定されているので、その吸着力は気になると思います。
まず、角型フィルターがホルダーに固定されている吸着力とSWIFTシステムの各パーツの吸着力はかなり差があるため、角型フィルターを前方に強引に外すようなことをしても各パーツが外れるようなことはありません。
また、SWIFTの各パーツは片手では少し力を入れないと取れないくらいで吸着しています。
後ろから強い力をかけると外れる可能性はありますが、何かに軽くぶつかったくらいでは外れる可能性は低いと思います。
ただし、各パーツを物理的に固定している訳ではないので、取り扱いには注意する必要はあります。
ケラレ状況まとめ(別記事へ)
それぞれの組み合わせでのケラレの発生についてはレンズごとにデータも異なるため、情報量が多く、記事が長くなってしまいました。
このため、記事は別記事にまとめました。ケラレについてはこちらの記事を参考にしてください。
私の購入した構成
今回SWIFTシステム導入にあたって私が購入した機材を記載します。
機材購入検討時の参考にされてください。
- SWIFTマグネティックアダプター(広角レンズ向け薄枠アダプター)82mm
- REVORING SWIFT 67-82mm マグネティック可変式アダプター
- SWIFTマグネティックドロップインフィルターラック(RD100)
- SWIFTマグネティックドロップインフィルターラック(RD100A)
- SWIFT マグネティック ブリッジリング(SWIFT Magnetic Bridge Ring)
- SWIFT マグネティック 100mmフィルターホルダー(SWIFT Magnetic 100mm Holder)
まとめ
極力分かりやすく書いてみたつもりですがいかがでしょう。
H&Yの角型フィルター用ホルダーの弱点が一気に解消されたシステムなので、これからH&Yのシステムを導入することを考えている方はSWIFTシステムで始めるのがよいと思います。
SWIFT関連の商品は25%オフ、すでに販売中製品のドロップインフィルター・角型フィルターも20%オフ と超お得なセール実施中です。
注:通常のH&YのHPとは別の「REVORING Swiftシステム予約注文用特設サイト」なので注意して下さい。
REVORING Swiftシステム予約注文用特設サイト
また、H&Yでは下記のURLで丁寧にFAQの対応をしています。
システムに関して不明点がある場合はこちらも参考にしてみて下さい。
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