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H&Yの新製品 角型フィルター用ホルダー Rotatable Holderレビュー

今回はこんな記事です。

H&Yから2枚の角型フィルターを違う角度に組み合わせることができる角型フィルター用ホルダー(ロウテイタブルホルダー:Rotatable Holder)が新発売になりました。
早々に入手することができましたので早速使用感などをレビューしたいと思います。

なお、そもそも角型フィルターって何?って方はこちらの記事を参考にしてください。

今回の記事はH&Yの角型フィルター用ホルダーに追加装着するパーツのレビューとなります。

H&Yの角型フィルター用ホルダーそのものについては下記の記事に詳細を書いています。
そもそもH&Yというメーカーの製品のことをご存知無い方はこの記事も一緒に読んで頂くと今回の記事がよりわかりやすいかと思います。

Rotatable Holderとは

Rotatable=「回転することができる」角型フィルター用ホルダー です。

H&Yの100mm用角型フィルター用ホルダー(100mm K-Series Holder Mark II)のフロント部にこの製品を装着することで、2枚の角型フィルター用の角度を自由に調整することが可能です。

Rotatable Holder取り付け後

なお、Rotatable Holderだけではカメラへの装着は不可で、カメラに装着して使用するにはH&Yの角型フィルター用ホルダー(K-Series Holder Mark II)を持っていることが前提になります。

なぜRotatable Holderを使いたいのか

角型フィルターの最大の特徴は色の濃淡のグラデーションがフィルター上で変化していることです。
構図内で明暗が大きく異なる撮影対象を撮る場合、明るい部分にフィルターの暗部を合わせることで、カメラに入射する光の強弱を同じ構図内である程度均一化できます。

角型フィルターのグラデーション

ただし、フィルターの濃さは濃い→薄い と一定方向で変化するため、例えば山の稜線の様に複雑な形状の場合、その形状に合わせて色の濃さを調整することが出来ません。

角型フィルターのグラデーション

これに対し、Rotatable Holderを使用して複数の角型フィルターの角度を自由に変化させて重ね合わせることで「空は山の稜線に沿って輝度を落とす」「山の本体は明るく浮き出させる」ことが出来るようになります。

角型フィルターを重ねたところ

あくまでイメージです、、、

Rotatable Holderの付け方

○K-Series Holder Mark IIへ取り付け

実際はレンズにK-Series Holder Mark IIを取り付けし、その後、更にRotatable Holderを取り付ける方がよいと思いますが、ここでは取り付けイメージを掴むため、あえてレンズから外した状態でそれぞれホルダーの取り付けイメージを説明します。

まず、Rotatable Holderはこんな部品です。

Rotatable Holderの全体イメージ

K-Series Holder Mark IIの角型フィルター固定用ネジが飛び出た部分とRotatable Holder裏面のフレームの隙間の空いている部分を合わせて双方を組み合わせします。
組み合わせしたらRotatable Holder側のネジを回して固定します。

Rotatable Holder と K-Series Holder 比較

左:Rotatable Holder/右:K-Series Holder

Rotatable Holder を裏側から見たところ

2つを組み合わせた状態(裏面から見たところ)

○レンズへの取り付け方

まず、はじめにK-Series Holder Mark IIをレンズに取り付けます。

  1. レンズにアダプターリングを取り付け
  2. 角型フィルター用ホルダー(K-Series Holder Mark IIの本体)を取り付け
  3. Rotatable Holderを取り付け
  4. 角型フィルターを挿入して使用
レンズにアダプターリングを取り付け

レンズにアダプターリングを取り付け

K-Series Holder Mark IIの本体を取り付け

K-Series Holder Mark IIの本体を取り付け

Rotatable Holderを取り付け

Rotatable Holderを取り付け

角型フィルターを挿入して使用

角型フィルターを挿入して使用

角型フィルターを挿入して使用(回転時)

角型フィルターを挿入して使用(回転時)

通常の角型フィルター用ホルダーとの違い

通常の角型フィルターは複数枚重ねて使用する場合、同じ方向に重ねて使用します。
このため、グラデーションの濃淡の方向は2枚のフィルターで揃ってしまいます。

角型フィルターを複数枚重ねたところ

一方、Rotatable Holderの場合、それぞれの角型フィルターが回転するため、グラデーションの濃淡の方向を独立して使用することが出来ます。

Rotatable Holderを使って角型フィルターを重ねたところ

Rotatable Holderを使って角型フィルターを重ねたところ

H&YのRotatable Holderの良いところ

  • K-Series Holder Mark IIに加工等は必要なく、Rotatable Holderを後付で取り付けるため、コストパフォーマンスがよい
    かつ、K-Series Holder Mark IIに加工等していないので、Rotatable Holderを使用しないときには取り外してしまえばK-Series Holder Mark IIの機能をそのまま継承できる。
  • Rotatable Holderを使った撮影時はファインダーを見ながら角型フィルターを2枚同時に操作して、その重なり方、重なりの角度の調整を行うことになる。
    (大多数の他社が採用している)スロットに差し込むタイプの角型フィルター用ホルダーの場合、角型フィルターのグラデーション位置調整は基本的にはカメラの前面に立って両手を使って角型フィルターの差し込み加減を調整する必要あり。
    一方、H&Yはマグネット式なので、カメラ背面から角型フィルターの上げ下げがしやすいため、ファインダーを見ながらの調整が非常にやりやすい。
  • 角型フィルターにフレームがついており、基本的にフレームを持って操作するため、頻繁に角型フィルターに触っても角型フィルターのガラス面が汚れにくい。

角型フィルターにフレームがついている

Rotatable Holder使用上の注意点

ケラレについて

レンズ前面にさらに部材を取り付ける構造上、ケラレは避けて通れません。
(H&YのHPでも、特に広角レンズでケラレが発生するリスクについては明記されています。)

そこで手持ちのレンズでケラレ発生の有無について確認をしました。
確認条件はいずれも下記です。

  • レンズ保護フィルターは外した状態
  • レンズへの取り付けは「K-Series Holder Mark II同梱のアダプタリング」と「(別売りとなりますが)Slimタイプ」と2種類を検証
  • 角型フィルターは1枚のみ装着
    Rotatable Holderを取り付けた場合はRotatable Holder側に1枚取り付け
  • 検証に使ったレンズのレンズ径はいずれも82mm
  • 角型フィルターを数周回転させて画角内のケラレを確認
  • 撮像範囲はフルサイズで検証

○レンズ:NIKKOR Z 14-30mm f/4 S での検証

  • K-Series Holder Mark IIのみ:15mmまでケラレが見られる
  • Rotatable Holderを追加装着:20mmまでケラレが見られる
  • Rotatable Holderを追加装着(Slimタイプのアダプタリング使用時):19mmまでケラレが見られる

○レンズ:NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S での検証

  • K-Series Holder Mark IIのみ:いずれの焦点距離でもケラれない
  • Rotatable Holderを追加装着:36mmまでケラレが見られる
  • Rotatable Holderを追加装着(Slimタイプのアダプタリング使用時):34mmまでケラレが見られる

※Slimタイプのアダプタリング(K-Series100mmホルダー専用アダプターリング(Slimタイプ))を使用すると若干ケラレの状況が改善します。

お使いのレンズの特性、取り付ける角型フィルターの枚数などによっても条件が変化すると思います。あくまで参考として御覧ください。

部材の落下リスクに注意

K-Series Holder Mark IIの前面にさらにRotatable Holderを取り付けるため、角型フィルター用ホルダー全体が重くなっています。

取り外す際、一気に角型フィルター用ホルダー一式をアダプターリングから外すなどすると角型フィルター用ホルダー一式が意図せず落下して破損するなどのリスクがあります。

取り外しの際は面倒でも一つずつ部品を外すようにしてください。

特にH&Yの角型フィルターのシステムはアダプターリングと角型フィルター用ホルダーの取り付け方法は必ずしも使い勝手が良くないため、ネジを緩めすぎると一気に取れる可能性があります。

なお、Rotatable Holderには内側に1mm程度の「ツメ」があり、K-Series Holder Mark IIへの装着が多少甘くなっても簡単には外れないようにはなっています。

Rotatable Holderのツメの説明

Rotatable Holderのツメの説明

ネジの誤操作注意

大きさは微妙に違うものの、 H&Yの角型フィルターについているネジはホルダーを固定するネジ、角型フィルターを固定するネジなどがすべて同じ様な形状の丸いギザギザついたネジなのでで、夜間など誤操作するリスクがあります。

特にRotatable Holderのネジは「角型フィルター固定用ネジ」と「(K-Series Holder Mark IIへ)Rotatable Holderを固定用ネジ」の2つが付いているのですが、どちらも同じ大きさで同じ形状のネジです。
ネジの操作はくれぐれも慎重に行ってください。

Rotatable Holderを固定用ネジの説明

Rotatable Holderの操作性

角型フィルター用ホルダー部分

K-Series Holder Mark IIと同様、マグネット式になっていて角型フィルターの吸着力は十分です。また、こちらもK-Series Holder Mark IIと同様、角型フィルター1枚目のみとなりますが、ネジ止めにより角型フィルターを固定する機構もついています。
角型フィルターを押さえつけるために可動する部分の大きさも同じです。

Rotatable Holderを固定用ネジ

左:角型フィルター固定用ネジ/右:Rotatable Holder固定用ネジ

角型フィルターを固定するネジはRotatable Holderの方がK-Series Holder Mark IIよりも若干(2mm程度)大きめに出来ています。

Rotatable Holder を K-Series Holder に取り付けたところ

左:Rotatable Holder/右:K-Series Holder

回転機構部分

回転するには適度なトルクがあって、設定した角度が簡単にズレてくるような不安はありません。
ただしRotatable Holder固定用のネジを強く締めるにつれ、全体が若干たわむ?のか、回転させるのに少し力が必要になってくるように感じます。まあ、軽くなるよりはいいですね。

Rotatable Holder固定用のネジについて

「Rotatable Holder使用上の注意点」にも書きましたが、角型フィルター固定用ネジとRotatable Holderを固定するネジがほぼ同じ形状です。

ただし位置はRotatable Holder固定用ネジの方が「H&Y」と刻印された出っ張り部分の上についている、前後位置では被写体に向かってRotatable Holder固定用ネジが後側/角型フィルター固定用ネジが前側にあるので、慣れてくるとこの違いにより手探りでも判別できるかも知れません。

角型フィルター固定用ネジ と Rotatable Holder固定用ネジ の比較

左:角型フィルター固定用ネジ/右:Rotatable Holder固定用ネジ

Kei
Kei

夜間に操作する場合はホルダーを回してみて、回転に追従してくる方のネジは「角型フィルター固定用ネジ」と判別するでもよいかな と考えています。

まとめ

ざっと触ってみましたが、H&Yの角型フィルター用ホルダーの良さはそのままに、さらに凝ったフィルターワークができる製品でした。
ケラレに注意は必要ですが、なかなか使えそうです。

Kei
Kei

富士山が冠雪する季節になってきたので、富士山を絡めた撮影に使うのが今から楽しみです!

なお、同等の効果を組み合わせすることのが前提なので、同等効果の角型フィルターが複数枚必要となりますが、撮影対象が「これ」と明示的に決まっている場合はとても有効な機材と思います。

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