今回の記事はこんな内容です。
なお、このネタは全4部完結のシリーズものになっております、、、
他記事も併せて読んでもらえると楽しんでいただけると思います。
そもそもレンズサポーターって何?から説明しています。
レンズ、カメラを同時に支え、機材を安定させる用途で用いるレンズサポーターについて理想形をとことん追求していきます。
今回はSIGMA 100−400向けレンズサポーターについて探求しました。
このネタはそもそもブログを書き始めようか と思ったきっかけとなった、私にとっては思い入れのあるネタです。
レンズサポーターは構成する部品点数が多く、こだわり始めるとキリがありません。それだけとても奥が深いのです。
また、レンズサポーターの機材紹介をする上で、HejnarPHOTOさんの製品はお気に入りなので、少し詳細に紹介しますね。
そもそもレンズサポーターとは何?
一般には超望遠レンズなど、大型レンズの三脚座とカメラ本体を同一のプレートなりで支え、カメラ、レンズの両方を支えるアクセサリーです。
レンズサポーターの支え方は大きく下記の3タイプに大別されます。
- 三脚座とカメラ本体を固定
- レンズと三脚座を固定
- レンズとカメラ本体を固定
なお、レンズサポーターの効果ですが、機材を三脚に設置することを前提に、望遠レンズとカメラの複数箇所をレンズサポーターで固定することにより、機材を「より」安定させようというのが一番の目的です。
さらには望遠レンズを取り付けると全体のバランスが悪くなるので、レンズサポーターによって前後位置をずらし、三脚取り付け時のバランスを取る という目的もあります。
用語説明
最初にレンズサポーター関連の用語説明をしておきますね。
Y字サポート
レンズを支えるY字型の部品のことです。単なるY字型金具でただレンズを支えるだけのものと、ローラーがついているタイプがあります。レンズを支える際、ズームリング、ピントリング位置を支える場合、鏡筒が回転するため、ローラーがあるとY字サポートがレンズに密着していてもリングの回転がスムーズです。
ダブルクランプ
上下両面にアルカスイス互換のクランプが接合しているものです。
下面でレンズサポーターのプレートと接合、上面でカメラに接続されたプレートと接合します。ダブルクランプを固定した場所でY字サポートでレンズを支える位置を調整します。
なお、そもそも「アルカスイス互換」って何?という方はこの記事を参考にしてみてください。
私がレンズサポーターにこだわりはじめたきっかけ
100−400のレンズ(SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary)の三脚座がなかったことです。
最新のミラーレス専用モデルSIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS Contemporaryではオプションで三脚座がつくように仕様変更がかかっています。マウントの対応は現時点ではソニー、シグマのみです。
Nikon向けSIGMAの100-400のレンズは純正品に比べると値段も抑え気味で、特にAPS-Cとして使用するなら35mm換算150mm-600mm相当まで行けるため、例えば飛行機撮影する上で初級者~中級者にとっては手の出しやすいレンズです。
また、このレンズ、ライト・バズーカーとSIGMAが呼んでいるだけあって、手持ち撮影でもなんとか取り回しできる重さ(1,160g)です。
ただしこのレンズを使って、夜の飛行機を流し撮りしたい、あるいは「飛行機撮りの聖地」と呼ばれる千里川での撮影の様に夜の飛行機を空港の誘導灯と一緒に撮りたい などのシーンでは問題が出ます。このような撮影では機材の三脚への設置が必要になりますが、このレンズには三脚座がありません。
三脚に固定するにはカメラ側を雲台に固定するしかなく、このような形で超トップヘビーになってしまいます。
そもそもバランス的に今にも前に転がり落ちそうですし、固定力の弱い雲台では設置した途端すぐに前にレンズがお辞儀をしてしまいます。
レンズサポーターを探求
この三脚座の無いSIGMAの100-400をどう支えればいいのか の探求を始めました。
まずこの製品が目に止まりました。ただしユーザ評価等を見ていても微妙。
後付の三脚座なので安定感も不安がありました。
引用:F-Foto 三脚座 for シグマ SIGMA商品紹介ページより
さらに試行錯誤したものの、どれもこれも納得出来ません。
①ベルボンのレンズサポーター(SPT1)にレンズを支えるY字サポートを追加
- 本来の使い方でない使用方法。
(SPT1の前後を逆にして、本来カメラを載せるポール上面にY字型金具だけを装着してレンズを支える構成。カメラ本体は本来三脚座を固定するネジで固定します。) - Y字サポート部分にローラー等がないのでレンズを繰り出す時に若干負荷を感じる。
- Y字サポートは一点でネジ止めなので、グラグラしてしまう。単にレンズ前方を支えているだけ。
- 見た目がかっこ悪い。
②レンズサポーターでよく見る構成
- Y字サポート部分にローラーがある。
- Y字サポートの高さが調整できる。
- カメラ部分はダブルクランプで固定し、ダブルクランプは前後に移動できるため、Y字サポートでレンズを支える場所の調整ができる。
- レンズサポーターに必要な基本的な機能は網羅しているがこっちも見た目が悪い。
- この機材構成のまま雲台から外して置くには不安定で、一時的に三脚から外すなどする時の使い勝手が悪い。
そんな中、ほぼ理想に近いレンズサポーターを見つけました。
やはり頼りになるのはハクさんです。ハクさん紹介のレンズサポーターがまさに私の理想とするものでした。
実はハクさんはご自身で個別にカスタムオーダーをしており、これからご紹介する内容からさらに一歩「究極」へと近づいているのですが、カスタムオーダー自体はみなさんが広くできることではないので、ここでは一般で購入可能な方法についてご紹介します。
紹介するメーカーはHejinarPHOTOというアメリカの会社です。
とても小さな会社のようですが、製品を見る限り実直なものづくりの姿勢が伺えます。
Amazonでも同社の製品を購入ができますが、あくまでマンフロットの雲台をアルカスイス化へ換装するためのキット提供としてであって、期待のレンズサポーターの取り扱いはなく、メーカーのHPで直輸入するしかありません。
なお、メーカーHPでの直発注は当然英語にはなりますが、写真も多く、製品のイメージは明確なので頑張れば注文はなんとかなります。
HejnarPHOTOの製品について
この会社、扱う製品をかなり絞り込んでいます。
- Y字サポート
- Y字サポート用のクランプ
- プレート
- カメラボディを固定するためのダブルクランプ
これらの種類がとても充実しており、自分好みで複数種類から選ぶことが出来ます。
本当に多種多用の組み合わせを選択することが出来ます。
ただし最初は何から選んでよいか分からないと思うので、HPの「Home > Lens Support」で基本的な製品構成を確認し、そこからお好みでプレートのサイズを調整、Y字サポートの長さを調整 などするのがよいかと思います。
なお、発注の際 Coupon Codeの欄に「Hejnar 10」と入力すると10%OFFで購入できます。
そもそも単価が高いのでクーポンをぜひ利用してください。
製品の単価自体はいわゆる中華系に比べると割高で、直輸入する際はここからさらに送料も掛かるのでそれなりの価格にはなりますが、製品の品質には満足できる一品です。
以降、HejnarPHOTOさんで扱っている製品をもう少し詳細に説明しますね。
Y字サポート
Y字サポートはホイールの大きさ、ホイール間の距離、本体のプレートの長さまで自分好みで選ぶことができます。
レンズサポーターにこだわりがあるからなのか、ここまで充実しているラインナップは見たことがありません。特にこの可愛いY字サポートがたまりません。
あまりに細かく組み合わせを選択できるので、最初は
「Home > Lens Support > Modular > Packages」
でパッケージになったものから選択するのが無難と思います。
Y字サポートのパッケージ自体でも6種類(!)もありますので、パッケージ製品でもお気に入りのものがきっと見つかると思います。
クランプ
こちらも多種多様のクランプを扱っています。
ただし、好みが分かれると思います。一般にクランプのネジのピッチは並目が使われることが多いように思いますが、HejnarPHOTOのピッチは細目です。ネジの回転に対してクランプの可動部の移動が少ないです。かなり回さないとプレートが取り外しできる状態になりません。
脱落防止のためのこだわりの仕様なのだと思いますが、他メーカーのものと比べるとクランプの開放が少々遅々としています。
クランプのノブは大きめで、表面のパターン加工も単純な線形ではなく、クロスにひし形の模様が入っており、とても回しやすいです。また、ノブを固定している軸のネジもかなり太いもの(M6?)が使われており、剛性面でも安心が出来ます。
ただし私の用途にはノブが少し大きすぎますので、ノブが小型のものが希望であれば他メーカーのものを選んだが方がいいかも知れません。
プレート
プレートについても厚さ、長さ、水準器の有無で様々な種類を選ぶことが出来ます。
3/8インチの厚さのものはプレート端にクランプを取り付けるネジ穴がないのでクランプが付きませんので注意です。その他は基本的にネジ穴があります。
また、製品によっては空転防止用のピンを挿入する穴つきのモデルもあります。
ただしこのピンはプレートには標準でついて来ません。
クランプ付きパッケージには同梱されるようですが、自分で組み合わせて発注した場合は自分で適当なものを用意しないとなりません。仕方なく私は自作しました。
製品全体について
製品はすべて光沢を抑えたマットなブラックアルマイト仕上げ。RRS等と同等の表面加工です。
各所の面取り、肉抜きも丁寧に処理されており、見た目よりも軽い印象。
加工精度も高いです。
HejnarPHOTOさんの所在地はシカゴになりますが、2021年8月現在、シカゴからの荷物は大幅に遅延する傾向にあります。私の荷物も2ヶ月ほどかかってやっと日本に届きました。日本の速達相当など、送料はいろいろ選べますが、あまり効果が無いようです。時間がかかることを覚悟で直発注してください。
レンズサポートの究極形にはたどり着けたのか?
さて、どうでしょうか?
小さなY字サポート、出っ張りが極小化された構造、、、、ほぼ理想に近いものになりました。
なかなかかっこいいです。
ただしまだ数点気に入らない箇所が。
- クランプ部分が下にはみ出ている。これを極力なくしたい。
- クランプのノブが大きすぎて後ろに出過ぎで、ファインダー覗く時に気になるので、ノブを極力小さくしたい。
これを解決するために新たな探求に入りました。
探求活動はまだまだ続きます・・・
コメント