今回はこんな記事です。
はじめに
G4proのベースとなったLeofoto G4はLeofotoの雲台の中でもかなり評価の高い雲台です。
私は風景写真を撮ることが多いので、ギア雲台には非常に興味を持っていましたが、簡易的にギア雲台の機能を利用できるLeofoto G2をすでに持っていたこともあり、G4自体の購入は踏みとどまっていました。
2024年初にG4proが発売され、前後、左右、横回転(パニング)の3軸すべてがギア駆動するなど、明らかにG2よりも機能的に優位性があるため、今回購入することにしました。
G4proは発売当初は販売価格が11万円を超えていましたが、最新の価格は8万円強(2024年6月時点で最安値82300円)程度まで価格が下がっていたことも購入の要因です。
なお、先に説明した、『Leofoto G2』について、および『G2のカスタム』の記事はこちらもあわせて御覧ください。
G4proの詳細
カタログスペック
- 耐荷重量:20kg
- 重量:870g
- 高さ:120mm
- 三脚取付ベース径:60mm
- 付属プレート:NP-60(アルカスイス規格)
G4proとG4を比較すると、耐荷重、三脚取付ベース径等は変わりませんが
- 高さ 108mm⇒120mm(12mm増)
- 重さ 690kg⇒850kg(160g増!)
の変化があります。
G4proの上部のクランプ部分にはパニングがギア駆動するLeofoto GR-2相当が実装され、GR-2単体では重さは300gあるようなので、この程度の重量増は仕方ないのかも知れません。
前後・左右の角度調整
「前後・左右の角度調整」については大型のノブを回転させ、ギアを駆動して角度を微修正します。
大きく角度を調整したい場合はギアのロック用のノブを緩めることでギアをフリーにして一気に角度の変更が可能です。
横回転(パニング)の角度調整
最上部のクランプをギア駆動で横回転させることができます。
ただしこちらについては前後・左右の角度調整とは異なり、ギアをフリーにすることができません。あくまでギアで角度変更することになります。
よって、被写体向けに大きく角度を変えるにはあらかじめ雲台下部のパニング用のノブ緩めて雲台自体の角度を変えて調整します。
変更可能な角度
公式スペックでは前後+155°~-50°。左右±45°となっています。
それぞれの角度の限界はギア操作が「止まる」などではなく、雲台のクランプ部分なりが雲台の基礎部に干渉するための限界値となります。よって、クランプのノブやギア駆動をフリーにするノブの角度次第では限界値はもう少し早まることがあります。
また、複数のノブが存在するため、角度の組み合わせによっては実際には操作性的に利用できない角度などもありえます。
あくまで上記角度の限界値は参考程度とし、基本は三脚本体で「ほぼ」水平出しを行い、G4proで構図を微修正をして使用するのが無難です。
水準器
最上部のクランプの2箇所に小型の水準器がついており、こちらで水平を合わせることが可能です。
ただし視認性が必ずしもいいとは言えないので、こちらで大まかに水平を合わせ、カメラ本体か別で用意した水準器などを併用するのがよいと思います。
操作感
前後・左右のギアの角度を調整するノブは必ずしも操作感のよいものではありません。
ギアの角度を調整する目的なので軽すぎるよりはよいのですが、まあまあ重い操作感です。
角度を端から端まで変更しようとすると指がそこそこ疲れるレベル。
特に前後の角度を調整するノブは(個体差はあるかも知れませんが)負荷のかかり方が一定ではなく、周期的に重い⇔やや軽い が変化するのが感じられます。
そもそもノブを大量に回すようなケースはギアをフリーにして操作すると思うので、大きな実害はありませんが、8万円程度する雲台ならもう少しスムーズな操作感を期待してしまうところです。
一方、最上部のパニングの角度を変更するクランプはスムーズな操作感です。
誤操作の懸念について
前後・左右の角度調整用ノブ、および、ギアをフリーにするノブは配置場所、ノブの形状が明らかに違うので、誤操作の可能性は低いです。
ただし、パニング調整用のノブはクランプの固定用のノブと場所的に近く、大きさに差異はありますが、形状が似ています。
誤操作を防止するために写真の様にクランプを回転させ、パニング調整用ノブとクランプ用ノブを極力離すように配置するのがよいです。
あるいは後述するようにノブの触感をカスタムすることをオススメします。
注意点
ギアをフリーにすることは、特に大型の機材を乗せた状態では実施しないことをおすすめします。特にストッパー等ないので、一気に雲台が傾いて機材がぶつかったりするリスクがあります。
雲台上に機材を積まない状態でギアをフリーにし、大きく角度を調整し、フリー状態を解除。
そこから機材を設置して、以降はギア駆動で細かい角度変更をするのが望ましいです。
G4proの使用感
G2+自由雲台での精密な構図の追い込みにもある程度満足はしていましたが、一つの雲台でギア雲台の機能が実現されているコンパクトさ、さらにはパニングまでギアで調整できるのは想像以上の快適さです。
三脚を三脚ケースで持ち運ぶ際の携行性の良さもさることながら、機材設置時の高さも低くなって安定感も増すため、安心して使えます。
正直少し高い買い物でしたがとても満足しています。
なお、今回、G4proの固定力の検証のため、Z8+NIKKOR Z 180-600m(総計3kgちょっと)の機材で角度の一番傾いた場所から復帰操作などを行いました。
(もともと重い操作感の)ギア操作ノブの重さがさらに極端に重くなることもなく、前後・左右・横回転はいずれも安定して角度変更ができました。
また、斜めの位置であえて操作を止めたりもしましたが、自然に落ち込んで来ることもなく、固定力は十分かな と思います。
まあ、公称20kgの耐荷重ですからね。
極端な機材の載せ方とはいえ、このくらいは耐えてもらわないと、、、
G4 Proのカスタム
アルカスイス互換プレート装着
アルカスイス互換信者?のワタシです。
早速この雲台も雲台下部にアルカスイス互換プレートを装着しました。
できれば雲台のベース径と同サイズで、かつ、イモネジで空転防止ができるプレートを探していたところ、よいものを見つけました。
私が利用したのはLeofotoのジンバル雲台PG1用のプレート P-PG1です。
なお、購入にあたってはKANIフィルターさんにご相談し、同径のP-BV10とP-PG1ではP-PG1の方が肉厚でよいでしょう とご提案いただきました。ありがとうございます!
このような小さなことでも丁寧にサポートいただけるのでKANIフィルターさんは本当ありがたい存在です。
P-PG1はG4 Proとサイズもピッタリ。イモネジもあるので空転防止もでき、大満足です。
ノブのカスタム
物理的配置場所がある程度離れているので誤操作の可能性は低いですが、熱収縮ゴムで触感をあえて変更しています。
また、先の項でも書きましたが、さらにノブ同士の配置をずらすことで誤操作を防止することも可能です。
まとめ
ずっと気になっていたG4pro。
Z8との組み合わせで頻繁に持ち出して使用しましたが、重めの機材でも固定力、構図変更に不安感は全く無く、かなり重用しています。
風景撮影など、構図を追い込む方ことが多い方にはオススメの雲台です。
ただし費用的な問題もあり、パニングまでギア駆動はいらないということであれば、G4でも十分満足できるかな と思います。
注:↑こちらは『Leofoto G4』のリンクです。G4Proではありません。
コメント