今回の記事はこんな内容です。
初心者向けのお安くすませる三脚カスタムの紹介です。
三脚の「脚」はそのまま利用して”雲台だけ”を交換してみるカスタム、あるいは、プレートを使ってバランスを取るカスタムなども三脚を安定させることができます。
初級から中級へのステップアップの近道は三脚を使うこと と言っても過言ではありません。そして、三脚の扱いが慣れてきた頃にカメラを始めた頃にお安く買った三脚への不満も徐々に出てきます。
雲台、三脚の脚 ともにセットで買い替えてしまえば話は早いですが、両方買うとなかなか投資がかさみますよね。
今回は三脚を買い替えたいが、雲台と三脚の脚のセットでの買い替えはちょっと予算的に、、、という方にお得に済ませるカスタムの紹介です。
三脚のパーツの名称説明
三脚は大きく言って4つの部品からなっています。
各部の名称を最初に説明しておきます。
- 雲台(うんだい)・・カメラを固定する部分
- 三脚の脚・・いい用語がなくて、、皆さんこの表現(笑)
- ロックナット・・三脚の脚を伸縮させた場合にこれを締めて固定します。レバータイプもあります。
- 石突・・地面に接地する部分。スパイクタイプ、地面に接地する部分がお椀型のカップタイプもあります。
雲台を変えてみよう
- 三脚の脚部がグラグラするなどはなく、脚にはそれほど不満はないが、重めの機材を載せると機材が「お辞儀」してしまうなど、雲台の固定力に不満がある。
- 現在は自由雲台を使っているが、自分の撮影のタイプは構図を追い込むスタイルなので3way雲台などに雲台を交換したい。
- 3way雲台にとどまらず、ビデオ雲台等、複数の雲台を使い分けしたい。
このようなケースでは雲台を交換することで三脚の”脚”だけ再活用が出来ます。
なお、「3. 3way雲台にとどまらず、ビデオ雲台等、複数の雲台を使い分けしたい。」のタイプの方はこの記事も参考にしてみてください。
雲台は交換可能です
基本的に三脚の構造は雲台、三脚の脚に分けられ、雲台部分は回転させることで外すことが出来ます。
ただし、三脚によっては「止めねじ」あるいは「いもねじ」と呼ばれる小さなネジで雲台が勝手に回って外れないように回転防止がされているかも知れません(中級以上の三脚にはついていることが多いです)。
雲台を三脚の脚から外す際はそのような機構がないか は念の為確認をお願いします。
無理に雲台を回すと雲台の下部を傷めることになりかねないので、もしこのようなネジがあれば雲台を外す前にネジを緩めておいてください。
雲台を外すと、三脚の脚の上部にこのようにネジが出てきます。
写真は1/4インチ(小ネジ、細ネジ)と呼ばれるサイズのネジで、国内メーカー製のものはこのサイズのネジが多く、海外メーカー製のものは3/8インチ(大ネジ、太ネジ)と呼ばれる少し太めのネジが多いようです。
ただし、いずれにしても基本的にそのどちらかのサイズのネジと思います。
ネジのサイズが2種類あるので、雲台、三脚の脚の組み合わせを変える場合、ネジの径を合わせないといけない ということになりますが、ネジ径を調整するアダプタ(カメラネジアダプター)が販売されており、ネジ径の違いを吸収することができます。
雲台を交換してみよう
基本的にネジ止めされているだけなので、アダプタなどを使ってネジの径を合わせてあげればお好みの雲台をつけることができます。
また、自由雲台であれば構造が簡単なのもあって、中華系でお値段以上の雲台がいろいろ出ています。ボール径も大きめで、耐荷重もかなり高いものがあります。
例えばSIRUIのこの雲台は実質1万程度ながら耐荷重が20kgと、かなりの固定力を誇ります。質感もそれなりに高く、ボールもなめらかに動きます。
後述する耐荷重の実質的な数字を踏まえてもコスパはいいと思います。
ただし、たとえば雲台の耐荷重を8kg→20kgに変えたからと言って、三脚の脚が変わらなければ三脚全体の強度そのものは大きく改善はしません。この点留意してください。
雲台の耐荷重の見方
残念ながら耐荷重の測定方法は明示的に規定されておらず、耐荷重の考え方自体もメーカーでまちまちのようです。
機材が「載ってしまえばOK」と判断するメーカーと「きっかり使用に耐えられる」を基準とするなど様々。
また「耐荷重」と書いていたり「搭載重量」、「搭載可能重量」と書いていたり、このあたりの評価基準の曖昧さが言葉の使い方に現れているように思います。
一般に国内メーカーはある程度良心的、海外メーカーは数字を盛っている と言われているようで、国内メーカーは記載の数字の半分、海外メーカーは1/3の荷重が実際の使用に耐えられる数値だと言われているとのこと(某ヨド◯シカメラ様の定員さん情報)。
なお、実質的な「耐荷重」は機材利用時のバランスも重要で、例えば超望遠レンズなどの一番の望遠端を利用するケースと大三元などの重めの標準レンズを利用する場合は同じ機材重量でも雲台に掛かる力は全く違います。
その意味で後述するようなプレートでバランスを取ってあげる という方法も雲台の能力を最大限発揮する点で重要です。
私は雲台選択時、耐荷重はせいぜい1/3~1/4程度を実力値と見て、あとはできるだけ実際の雲台に可能ならば自分の機材を載せてみて最終判断、すでに保有済みのメーカーの品であればそのメーカーの癖(盛りっぷり)も加味しながら選択するようにしています。
ロングプレートでバランスを取ってみる
雲台の固定力は載せている機材のバランスが崩れているほど必要になります。
プレートなどを使って機材のバランスを取るだけでもお持ちの雲台の固定力を最大限発揮することができます。
望遠レンズを載せた際だけが顕著にふらつく、お辞儀をする のであればこのようなプレートを使って前後のバランスを取ってみるのも対策の一つです。
特にお使いの雲台がアルカスイス互換ならばプレート自体は1000円程度からお安いものがたくさんあります。15cm~20cmくらいの長さのアルカスイス互換プレートをポチって試してみる価値はあると思います。
アルカスイス互換って何?な方はこちらまで
まとめ
いい三脚を最初から買うことができれば簡単な話ですが、なかなか最初から踏み切れませんよね。そんな方向けにお得にできるプチカスタムを紹介しました。
なお、三脚はカメラ系機材の中ではあまり技術革新が起こっておらず、いいものを買えば長く使える機材です。
もし、継続的にカメラを続けるつもりがあり、カメラの機材にも一定の投資をしていく(≒つまり機材が重くなる)ことが想定されるなら、中途半端なことはせず、一定価格(5万~6万程度)以上の三脚を購入する方が間違いはありません。
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