今回はこんな記事です。
ただし(カーボン製は)お値段が10万円前後とかなり高い品でした。
Ulanziからほぼ同等コンセプトでお値段が1/3ほどの三脚(Ulanzi ZERO Y)が最近リリースされたので細部まで徹底比較してみました。
以降、PeakDesignの三脚は『PD』、Ulanzi ZERO Y は『ZERO』と記載します。
今回比較したのはこの2種類の三脚です。
『ZERO』をお得に買う方法を最初に紹介
『ZERO』の場合、ゲリラ的に?Amazonでタイムセールが行われています。
そもそも、通常は常時10%割引クーポンが発行されていますが、タイムセール中は な、なんと25%OFFI!!
4万弱のお値段が3万弱と 約1万円もお安くなります。
私は年末のタイムセールをやっていた際は迷ってる間にタイムセールが終わってしまい、、、2月頭に再度の割引キャンペーン開催を見かけた際に勢いで買いました。以降も時々タイムセールを見かけています。
タイムセールは突然始まる感じなので、マメに商品リンクをチェックすることをおすすめします!
Ulanzi ZERO Y と PeakDesignの比較
商品の箱(外装)
『PD』の場合、角が丸みを帯びたかなりおしゃれな箱に入っています。
蓋はゴムバンドで固定されていて、引っ張って空間を作って中身を取り出す格好。
結構凝った作りです。
箱の中に『PD』本体がかなりびっちりと収納ケースごと入っています。
『ZERO』もかっちりとした箱には入っていますが、まあ普通の「箱」です。
収納バッグ
『PD』は収納バッグにほぼ”遊び”がない状態でかなりピチピチにはいっています。
布地はクッション性のあるものが使われていて、少々ぶつけたりしてもある程度は中身を保護してくれそうです。
布自体に伸縮性はありますが、そもそも三脚のサイズにあわせてかなりピチピチなので収納する際は正直言って入れづらいです。
トラベル三脚なのだから、収納バッグに入れても、とにかく小さくしよう という意図は透けて見えますが、、、もう少し余裕があってもいいのでは?って声も多いですね。
収納バッグの両端にはストラップを取り付けるための「紐」がついています。
ここにPeakDesignの「アンカー」を取り付けてストラップがつけられます。
⇒「アンカー」がナニモノかわからない方はこちらの記事を参考にしてください。
収納バッグにはバンドがついていて、手で持てるようになっています
ファスナーの開閉はスムーズで、おそらく防水のためと思いますが、布地部分も樹脂で保護されています。
『PD』のロゴは控えめに側面にそっと縫い付けられています。かなりセンスいいです。
『ZERO』の収納バッグは 全体のデザイン、布の色調、ファスナーの取り付け位置、手持ち用のバンド、ケース両端のストラップ取り付け紐などなど、、、PD』のパ◯リと言われても仕方ないくらい『PD』と酷似しています。
『ZERO』も布地はクッション性のあるものが使われていますが、伸縮性はほぼありません。
ただし、サイズ的には三脚本体に対して多少余裕があるので、収納する際は入れやすいです。
ファスナーの開閉はスムーズですが、『ZERO』の場合は『PD』と違い、ファスナーの布地部分は特殊な加工はされていません。
『ZERO』には収納ケースを肩掛けするためのストラップ(安っぽいですが)が同梱されています。
『ZERO』は収納バッグの側面に製品ロゴは白、赤で目立つように書かれています。
『ZERO』を示す『零感』の漢字表記がなかなかかっこいい。
外観
三脚の外観はかなり違います。
『PD』は全体に”三角”を意識したデザインであり、脚の部分は六角形を平たく潰したような独特のデザインをしています。
一方、『ZERO』は脚は一般的な丸形の脚の構造です。
製品に施された製品ロゴですが、『PD』の場合はシンプルに本体の一箇所に白くログがあるだけ。なかなかおしゃれです。
『ZERO』は各所に製品名、メーカー名の記載があります。
ケースと同じく赤色で『零感』の漢字表記もあります。これはこれでかっこいい。
収納時のサイズ
最も畳んだ際のサイズで比較します。
長さは『PD』の約39.5cmに対して、『ZERO』がやや長い約42cmです。
高さ
双方、センターポールを分割して短くすることができ、高さを抑えた撮影が可能です。
また、どちらもほぼ同等まで高さを下げることができ、『PD』は約14cm、『ZERO』は約15cmが最低高となります。
最大の高さは下記で、『ZERO』の方が最大の高さはやや高くなります。
- センターポールを伸ばさないとき
『PD』は約130cm、『ZERO』は約133cm - センターポールを伸ばしたとき
『PD』は約152cm、『ZERO』は約158cm
重さ
『PD』は約1.4kgで、見た目よりズシッと重さを感じます。
『ZERO』は約1.1kgで、逆に見た目より「軽い」と感じます。
全体で1kg前後の重さに対し、300gの違いは大きいですね。
耐荷重
『PD』は9.1kg、『ZERO』は18kgです。
提示値は随分違いますが、この辺りは各メーカーの「言い値」になるので、微妙。
ただし、最大段数まで伸ばした場合、『PD』は脚部が六角形を平たく潰したような構造をしているためか、脚の外側から力をかけると脚全体が内側にかなり”しなり”ます。
脚を全部伸ばした際の安定度は少々不安なものがあります。
『ZERO』の場合は『PD』に比べてそのしなり方は少なく、『PD』よりも明らかに剛性は高いです。
雲台部
どちらもアルカスイス互換の雲台ですが、かなり双方の形状は違っています。
『PD』は自由雲台を逆にしたような形状で、センターポール上にあるボールに雲台のクランプ部が載っている構造です。
プレート取付部は上下に可動するレバーで固定し、レバー下部にあるロックダイヤルを回して固定する機構です。
雲台自体はロックダイヤルの下にあるダイヤルを回して角度を変更、あるいは固定する構造で、似たような位置に二つのダイヤルがあるので、誤操作を懸念する声もチラホラ聞かれています。
雲台上面には水準器がありますが、機材を載せてしまうとほぼ見えない位置なので、機材を乗せる前に水平を確認した後に機材を載せる という流れにしないと使えません。
なお、本来は雲台上面にプレート落下用のピンが付いています。
プレート落下防止用のピンはPeakDesignのキャプチャー用プレート以外を取り付ける際は邪魔になって使い勝手が悪いので、私は外しています。
落下防止用のピンは六角レンチで簡単に取れます。
『PD』の雲台は一番小さく畳んだ際は三脚の脚部に”はまり込んでいる”ため、センターポールを伸ばさない状態で雲台の角度の変更はできません。
『PD』の場合、縦構図にする際は雲台下部の溝の位置(3箇所)をセンターポールに合わせて撮影することになるので、かなり自由度がありません。
雲台下面の出っ張りが邪魔になって絶対に設定できない角度ができてしまいます。
L字プレートなしで『PD』で縦構図を撮るのはかなり厳しいと思います。
『ZERO』も自由雲台を逆にしたような形状で、センターポール上にあるボールに雲台のクランプ部が載っている構造です。
『ZERO』のクランプ部はよくある、ダイヤルを回して締め付けるタイプのアルカスイス互換クランプとなります。ネジを回してクランプの幅を小さくしてプレートを挟み込む形です。
『PD』と違い、『ZERO』の雲台はパン(横回転)ができる機構がついています。また、パンの回転は滑らかです。
ここが『PD』との違いとして『ZERO』の最大の特徴と言っても過言ではありません。
雲台の可動部のロックはレバーロック型で操作感はスムーズです。
パンの制御用レバーは雲台の角度変更用のロックレバーと角度によっては干渉をする可能性がありますが、外側に引っ張って回すと角度を変えることができます。
『PD』と同様、雲台上面には水準器がありますが、機材を載せてしまうとほぼ見えない位置なので、機材を乗せる前に水平を確認した後、機材を載せる という流れにしないとなりません。
『ZERO』の雲台は三脚を一番畳んだ状態でもレバーロックを緩めるとある程度の角度調整が可能なので、センターポールを伸ばさずに安定して撮影をしたい場合などに使い勝手がよいです。
『ZERO』の場合、縦構図にする際は雲台下部の溝の位置(2箇所)をセンターポールに合わせて撮影することになるので、こちらも角度の自由度はあまりありませんが、雲台にパン機構があり、雲台上面が回転できるため、(決して使いやすいとは言えませんが)自由雲台と同等の縦構図の使用感で操作できます。
三脚部
どちらも脚は5段構成で、レバーロック式です。
表面のカーボン模様はどちらも高級感がある質感です。
『PD』はレバーロックのロック解除、ロック設定ともにスムーズで、一気に解除、一気にロックができます。
一方、『ZERO』のレバーロックはややスムーズさに欠け、特に一番下のロックがかなり固いので、一気にロック解除、ロック設定をするのは難しいと思います。
脚の最上部に脚の開脚角度を変更できるボタンがあるのはどちらも同等です。
『PD』は一番閉じるか、一番開くか の2段階しか選択できないのに対し、『ZERO』は一番閉じる、一番開く の他に中間段階の開脚角度が設定でき、3段階の開脚角度が設定できます。
『ZERO』には脚部に1/4インチのネジ穴が開いており、必要に応じ機材を取り付けることができます。
センターポール
『PD』はセンターポールを三脚本体にあるダイヤルを締め付けてロックする機構です。
このダイヤルは外側に引っ張ってダイヤルを操作、押し込むとロックがかかり操作ができないようなガード機構がついています。
2023年2月26日追記:
↑これ、私の勘違いだったことが判明しました。このような機構は実装されていません。ダイヤルを押し込むと操作感が固くなる(ように感じた)のを”ロックが掛かっている”と勘違いしていました。
『PD』のセンターポールの上げ下げの動きはなめらかに操作できます。
雲台の角度を変えるとセンターポール内のネジにアクセスすることができ、ネジを緩めることで二つに分解して短くすることができます。ローアングル撮影時にセンターポールを短くして使用します。
『PD』のセンターポール内にはアルカスイス互換のスマホ用ホルダーが格納されており、雲台に取り付けることでスマホを固定できます。
センターポール下部はエンドフックとなっていますが、ここにはPD社の「アンカー」を取り付けるための穴が開いており、PD社のストラップを取り付けて持ち運びができるようにもなっています。
『ZERO』は『PD』同様、雲台の角度を変えるとセンターポール内のネジにアクセスすることができ、ネジを緩めることでセンターポールを二つに分解して短くすることができます。
『ZERO』はセンターポールはレバーロックによってロックする機構です。
ロック解除はレバーロックを下から上に上げるのですが、上げただけだと微妙にロックが効いているのでセンターポールの上げ下げに引っかかりがあり、スムーズに操作できません。
このため、レバーをあえて一番上まで上げた位置で固定しつつ、センターポールを操作する必要があります。
また、このロックは非常に固く、一番奥まで締め付けることができません。
あまりに固いので、強く締め付けすぎるといつかレバーが折れるのでは?と心配になるくらいで、中途半端に締めてやめています。
『ZERO』の一番不満な点はここです。
センターポール下部はこちらもエンドフックとなっており、エンドフックを回して取り外すと六角レンチが内蔵されています。
石突
『PD』の石突はゴム製で、三脚の開脚角度に合わせて地面の設置面が平らになるように加工されています。
『PD』には脚部の伸長する脚のパイプ部分をすべて外して軽量化し、1段だけで使用するための石突、および、スパイクタイプの石突が別売りで用意されています。
『ZERO』の石突はゴム製で、一般的な丸形の石突となっています。
『ZERO』には最初からステンレス製のスパイクピンタイプの交換用石突が同梱されています。
同梱の機材
『PD』には三脚脚部に折りたたみ式の六角レンチ(本体と同梱)を取り付けることができます。
ただし落ちやすいのが難点。私は落としました。
値段
2023年2月18日現在の値段は
- 『PD』Peak Design ピークデザイン TT-CB-5-150-CF-1 10万前後
注:カーボン製モデルの値段。アルミ製モデルは約半額。 - 『ZERO』Ulanzi ZERO Y 38,888円(Amazon価格)
注:カーボン製モデルのみ
『PD』は『ZERO』の3倍しますね、、、
『ZERO』がタイムセールで買えたら3万弱で買えるので、その場合は『PD』の値段は約3倍。
やはり『PD』は高いです。
オプション品
『PD』にはセンターポールに雲台が載っていないタイプが準備されています。
標準の雲台の使い勝手が悪いと感じるなら、こちらを使って、雲台を交換することが可能です。
『ZERO』にはUlanzi特有のクイックシュータイプ(F38)のクランプが載っているセンターポール、および、『PD』同等、雲台が載っていないセンターポールが準備されています。
最初からセンターポールがUlanzi特有のクイックシュータイプ(F38)になっている「Ulanzi ZERO F38」というモデルも存在します。
ただし、アルカスイス互換のクランプが載っているセンターポールは別売りされていないので、このモデルを買うと後々アルカスイス互換化するときには厄介です。
Ulanzi ZERO Y モデルを買って、F38用のセンターポールを後付で購入するほうが応用が効きそうです。
使い勝手をよくする手段(その1)
この三脚に限らず、自由雲台は縦構図にした場合、可動域が狭くて使い勝手が悪いです。
このため、L字プレートを使ってカメラ自体を横向きにして使用するのがおすすめです。
使い勝手をよくする手段(その2)
トラベル三脚の雲台は小さくしているために雲台のボールの動きがなめらかでなかったりして、精密な構図づくりは苦手です。
そんな不満をこういう小さなギア雲台と組み合わせて解消する手もあります。
まとめ
『PD』は細部まで手が込んでいて、非常に所有欲が満たされる三脚です。
ただし、、やはり お高い!
『ZERO』は『PD』を隅から隅まで研究し、弱い部分を徹底的に改善していると判断できる三脚です。
レバー式機構部分が多いので、その耐久性などは気になりますが、全体の質感は値段の割に素晴らしいもので、トラベル三脚としては持っていて損はない三脚と思います。
『ZERO』の実物を手にとってみた感触、および『PD』と比較してみた上で、各所のレビューで評価が高い理由に納得しました。
コメント
細かくて恐縮ですが『Ulanzi ZERO』は『Ulanzi ZERO Y』ではないですか?
ご指摘ありがとうございます。ご指摘どおり、正確な商品名は「Ulanzi ZERO Y」です。別途明記しますね。