今回はこんな記事です。
はじめに
私はほぼすべての機材をアルカスイス互換対応の機材で統一しています。
昨今、カメラメーカーによっては純正の機材でアルカスイス互換になっていることも多いのですが、ニコンの望遠レンズの三脚座(レンズフット)はアルカスイス互換でなく、残念ながら底面にネジ穴だけのついたタイプです。
このため、例えば、NIKKOR Z 70-200はKIRKのレンズフットに交換して使用しています。
ただし、NIKKOR Z 180-600にはアルカスイス互換の三脚座がリリースされていなかったので、これまでは純正の三脚座の下部にF-Fotoのアルカスイス互換プレートを使用して使っていました。
今回ようやくアルカスイス互換の三脚座がLeofotoからリリースされたので、そちらを購入しレビューしてみました。
仕様比較
素材等
Leofoto NFC-01について、日本の代理店には素材等の詳細記載はありませんがLeofoto CHINAの記載を確認したところ下記でした。
- 6061-T6アルミ合金からCNC加工で成型
- 表面はブラックアルマイト加工
レンズへの取り付け
Nikon純正同様、Leofotoの三脚座も回転リング部分を開けてレンズに取り付けます。
サイズの比較
レンズフット部分
- Nikon純正:約75mm
- Leofoto(NFC-01):約120mm
LeofotoはNikon純正に比べてレンズフット部分がかなり長い(約1.5倍)ため、前後バランスが取りやすく安定します。
高さ
- Nikon純正:約122mm
- Leofoto(NFC-01):約130mm
Leofotoの方がやや高さが高いです。ただしNikon純正の三脚座をアルカスイス互換として利用するには下部にプレートを入れる必要があり、プレート挿入後は双方の高さはほぼ同一になります。
重量の比較
Nikon純正:186g
Leofoto(NFC-01):210g
Leofoto側はレンズフット部分がかなり長い割に、重さは大きな差はありません。
肉抜き等が丁寧に行われているため と思われます。
ネジ穴の構成
Leofoto(NFC−01)はネジ穴がかなり空いています。
- 3/8インチネジ (太ねじ) :2箇所
- 1/4インチネジ (細ねじ):4箇所
- QDソケット:1箇所
Nikon純正に比べてLeofotoはこれでもか!ってくらいネジ穴があります。
また、QDソケットがあるのが特徴ですね。
Nikon純正の三脚座のレンズフットは1/4と3/8のネジ穴が一つずつ空いているだけ です。
回転リング
Nikon純正、Leofotoともに回転リング内側には樹脂製(PVC)の素材がつけられており、レンズ本体に傷がつくのを防止できたり、縦構図にする際などのレンズの回転をややスムーズにさせています。
Nikon純正、Leofotoともに、回転時の感触に大きな差異はありませんが、どちらもベアリング等の機構はないので、レンズ本体と回転リングがややすれている感触はあり、回転は必ずしもスムーズとは言えません。
私の場合、このレンズを使って横構図⇔縦構図の変更を頻繁に行うことないので、回転のスムーズさ はそれほど気になりません。
回転リングの固定用ネジ
Nikon純正:直径5mm程度のネジ
Leofoto:直径6mm程度のネジ
Leofotoの方がやや太めのネジが使われています。
ただし、ネジを締め込む方向について、Leofotoは真横(水平)に対し、Nikonはネジがやや斜めになっており、回転リングが開く角度にあえて傾けているように見えます。
おそらくこの方が締め付けの強度の意味で優位であるのでNikonではあえてこうしているのだと思います。
よって、締め付けの強度についてはどちらも大きな差異はなさそうです。
その他の特徴
Leofotoにはレンズフット部分にシリコングリップが装着されており、持ち運び時にもハンドルとして使用できるように設計されています。
注意点
Nikon純正の三脚座と違い、Leofotoの三脚座にはストラップホールがありません。
このため、レンズ本体にストラップを取り付けて持ち運ぶことが出来ません。
剛性比較
Nikon純正の三脚座とLeofotoの三脚座それぞれに対し、”おもり”として水の入ったボトルをレンズトップにぶら下げ、どの程度レンズが「おじぎをするか」を比較しました。
この測定方法だと正確には、雲台、三脚の「たわみ」も加わりますので、純粋な三脚座だけのたわみではありませんが、同じ条件で比較はしていますので、その点はご容赦ください。
ちなみに使用したボトルはKANIフィルターさんのオリジナルデザインの真空耐熱ボトルです。
比較条件
- レンズはNIKKOR Z 180-600mm。カメラ本体はZ8。
- 雲台はLeofotoのビデオ雲台 BV15を使用。
- レンズ上部に水準器を設置し、”おもり”の取り付け前後で傾きを比較。
- ”おもり”はボトル、ストラップ、カラビナのトータルで約900g
検証結果
結論からいうと、双方で大きな差異は出ませんでした。
どちらも”おもり”をぶら下げることでやや前傾になるものの、その変化はごく僅かで、上下の剛性に大きな差異はないと判断しました。
Nikon純正
Leofoto(NFC-01)
また、(細かい検証は行っていませんが)雲台にとりつけた状態で少しねじるような力を加えてみましたが、こちらについても剛性の点で大きな差異は感じられませんでした。
他メーカーの類似製品について
NIKKOR Z 180-600のアルカスイス互換の三脚座は私の知る限り、KIRK、Leofoto、iShoot、Haoge から発売されています(ただし、iShoot、Haoge は5千円~6千円程度で流石に剛性が不安なので購入見送り)。
KIRK、Leofotoはどちらも海外で先行で販売されていたものが、2024年8月~9月にようやく日本でもリリースされました。
なお、Leofotoは回転リングとレンズフットが別部材であり、ネジで接合されています。
一方、KIRKは全体がアルミ合金から削り出しであり、剛性面は信頼性がありそうです。
ただし、Leofoto製品が2万円弱に対し、KIRKの正規ディーラーであるStudio JinさんのHPによるとKIRK製品は値段がLeofoto製品の約3倍(6万円弱:2024年9月現在)もします。
25万円程度のレンズの三脚座に6万円近く出費するのはあまりにコスパが悪すぎるため、今回は購入を見送りました。
NIKKOR Z 180-600の三脚座をアルカスイス互換にするにはNIKKOR Z 70-200の様にレンズフットだけの交換はできず、三脚座全体を交換しないとならないため、どうしても高くなってしまうようですね。
まとめ
S-Lineではないレンズ向けのアルカスイス互換の三脚座として、値段、剛性を考えるとLeofoto製品(NFC-01)はよい選択肢だと思います。
機材のアルカスイス互換化にこだわっている方にはオススメです。
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